2005年5月発行。283ページ。
前作が基本的なテークアウトダブルとそのレスポンスについて詳細に述べられていたのに対し、今回は、様々なダブルが紹介され、その使い方について分かりやすく述べられています。
全体構成は
第1章(あなたの側がオープンした時のコンベンションとしてのダブル)
・ネガティブダブル・オープナーのリターンネガティブダブル
・スゥランプダブル・サポートダブル・マキシマルダブル
・NTオープン後のネガティブダブル・あなたのストロング
2Cをオーバーコールされた場合のダブル
第2章(コンピートする側のダブル)
・スナップドラゴンダブル・スナップドラゴンダブルの応用と
レスポンシブダブルの応用・ローゼンクランツダブル
・ローレンスダブル・アクションダブル・レスポンシブダブル
・キュービッドダブル・バランシングダブル
第3章(その他のいろいろなダブル)
・あなたのサイドのビッドスートをオポがキュービッドした
場合のダブル
・「私のスートをリードしないで」と告げるダブル
・オポのスラムトライのためのキュービッドに対するダブル
・ゲームトライに対するダブル・4thスートに対するダブル
・ガーバー、BWに対するダブル・ドルーリーに対するダブル
・スプリンターに対するダブル・ゲイツダブル
・キュービッドに対するくわせものダブル
・ステイマン、ジャコビーに対するダブル
第4章(ペナルティー含みのダブル)
・フィッシュバインダブル・ライトナースラムダブル
・ライトナーゲームダブル・ライトナーパートスコアダブル
・縞のしっぽの類人猿ダブル・ギャンブルダブル
・ペナルティーダブル・バランスオブパワーダブル
・パートナーのペナルティーダブルからいつ逃れるべきか
第5章(リダブル)
・心配無用リダブルとSOSリダブル
・ネガティブダブル後のリダブル
・スラムトライのキュービッドをダブルされた時のリダブル
・ジャコビートランスファーをダブルされた時のリダブル
・情報提供リダブル・疑問を示すリダブル
となっています。
実にいろいろで、興味深いです。したがって、ダブルにはパートナー間での十分な打ち合わせが必要ということと、波長が合うこと、コモンセンスが大事であることなども感じました。
いくつか紹介します。
第1章「ストロング2へのOCに対するダブル」から
2−2
とオーバーコールされた場合の「ダブル」には3つのパターンがあるとされています。
パターン1:ペナルティーダブル
KJ843
543
J4
T84というようなハンドを持っている場合で、あなたのサイドにスラムはなさそうであることがはっきりしていることが条件になっています。したがって、
AJ954
K74
QJ4
74 こういうハンドを持っているときはダブルしてはいけないことになります。
パターン2:ポイントを示すダブル
73
J83
K873
J432
4pts以上持っているハンドに適用するとあります。それほど素晴らしいハンドではないが、ゲームはあるはずというダブルで、パートナーにあなたのハンドは「全く破産しているのではない」ことを示します。メリットは、ゲームフォーシングであることだそうです。
パターン3:バッド・ハンドを示すダブル
873
T7653
43
J83 のようなハンドを示すとあります。
このように、ダブルにも3通りあるので、パートナーとは確認が必要ですね^^
第2章「スナップドラゴンダブル、レスポンシブダブルの応用」から
1−X−1
−X このダブルには2通りの解釈があるとのことです。
パターン1:ペナルティーダブル
A7
QJ83
JT74
983
このようなハンド、正確に4枚のと少なくとも8HCPあることを示します。これによって、1
のビッドがサイクであることを示せるかもしれませんし、パートナーが判断しやすくなるちうことです。その延長で
A7
QJ832
JT74
92
このハンドでは2とビッドするそうです。
パターン2:テイクアウトダブル
J873
K43
KT84
84
2アンビッドスートのテイクアウトで、7ptsと少々を保証するとあります。パートナーに、
の選択などを委ねる方法で、レスポンシブダブル的ですね^^
ローレンスさんはパターン1の方法を推奨しています。
第2章「アクションダブル」から
従来はペナルティーダブルとされていたものがテイクアウトダブルとして用いられるようになった例の一つとして紹介されています。
あなたはWest ノンバル
W N E S
1C X 1H
1S 2H P P
?
KJ63
43
A852
652
この「?」のところでのダブルは、4枚のとマキシマムな8〜9ptsのハンドを示し、さらに競り合えることを示しているものです。アクションダブルでのほとんどの場合ではトランプトリックはないです。
第2章「レスポンシブダブル」から
ネガティブダブル:ビッドをオープンした側によって使われる
レスポンシブダブル:コンピートする側によって使われる
第3章「ドルーリーに対するダブル」から
W N E S
P P 1H
P 2C X
このダブルには2通りの使い方があるとされています。
パターン1:リードダイレクティングダブル
K4
87
J842
AQJ74
こういうハンドの場合です。
パターン2:テイクアウトダブル
62
K743
AJ8
QJT6
こういうハンドの場合です。
どちらにもメリットがあるので、好きな方を選べばいいでしょうとあります。
第4章「ペナルティーダブル」から
「勝利のブリッジのためにはアグレッシブにコンピートすることが必要」と冒頭にあります。
ただし、通常の競り合いの場合、いつダブルすべきか、この判断がなかなかむずかしいとしていくつかの例があげられています。
W N E S
1H 2D
2H 3D P P
?
KT76
T94
QT4
A84
→ダブル
82
QT63
J864
K95
→3
82
QT6
J864
K952
→パス とされています。これは分かりやすい例ですね^^
また、「ダブルは意見であり命令ではない」という記述もあります^^
とにかく、いろいろなダブルのさわりが紹介されていて、とても勉強になりました。
ダブルの扱いは進化し続けているとも書いてありました。で、はっきり分かったことは、考え方によってダブルは全く別の意味として使用しうるということです。したがって、一つ本に書いてあったからといってそれが唯一絶対のものでないことはもちろん、パートナーは全然別のシステムかもしれませんので、よく話し合うことが必要ということです。もちろん、いくつかのダブルについての基本原理を理解した上でのことですが^^
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