Bid Against The Masters

1993年刊行。128ページ。
オーストラリア人の Keith Mcneilが18年にわたって続けたビッディングフォーラムのうち注目すべきものを集めてあります。そこにTernce Reeseがコメントを加えています。1973年と1983年を比較して10年でビッドスタイルがどう変わったか、変わっていないかも比較してあり興味深かったです。21のジャンル(パートスコア戦略、対サイキック、ネガティブダブル、ダブルに対して、キュービッド、オーバーコール、ギャンブリング3NTなど)について世界のトップエキスパートの様々な回答が掲げられています。エキスパートにとっても答は一つではないケースも多く、そこにブリッジのおもしろさが現われていると同時に、エキスパートでさえ難しいハンドには回答が分かれるのですから、ましてや私レベルでは一つの考え方に拘泥することなく、いろいろな考え方、ビッドの仕方とその背景にある考え方のちがいについてもっともっと考える余地と必要性があるということを感じさせられました。
いくつか紹介します。

「Those Minor Suit Games(2)」から
Imps,game all
  S  W  N  E
        1D P
  1S P  2C P
  ?
Southのハンド:AT763 QJ853 Q4 9
これは、2D 100点 20人
    2H 90点 14人
    2NT 50点 1人
    3H  10点 1人となっています。
Bourke「2 ミスフィットのときは低い代で止まるべき」
Cuppaidge「2 いいところ。ゲームありとみればパートナー
 が動くだろう」
Pottage「2 2は4thスートフォーシングになるのでロシアン
 ルーレットをするようなものだ」
Dela「2 4thスートフォーシング。2はハンドのバリューを
 示しているが、プレイングポテンシャルを示していない。」
Reese「2NTが1人しかいないのは不思議。2には良すぎる
 ハンドだが、2はフォーシングになる。」
(^_^)3 フムフム いろいろな考え方があるもので^^

「High Jinks(1)」から
  S  W  N  E
           1S
  X  2H P  2S
  3C 3S 4C 4S
  ?
Southのハンド:K AJ7 KJT AK6432
これは、パス 100点 18人
    5  80点 5人
    ダブル 50点 5人 となっています。
多くのパネリストがダブルをしないのは、Westにエントリー乏しいのでダブルをすることによってAをプレイされてしまってKが取られることをおそれてのことだそうです。
Eisenberg「パス。ディフェンス向きのいいハンドである」
Kantar「パス。でローをOLして、各スートでトリックを取る
 作戦。」
Reese「パス。4は1ダウンの可能性がある。ダブルしてメーク
 は最悪なのでダブルはしない。」
Wolff「5。あらゆる状況証拠が4も5もダウンしそうな
 感じを示しているが、状況証拠はしばしが現実とは異なる」

「Overcalling with Shape」から
Pairs, game all
  S  W  N  E
     1D P  2C
  ?
Southのハンド:KQ763 QT8752 Q 3
これは、2 100点 9人
    2NT 100点 9人
    3 100点 7人
    ダブル 50点 4人
    2 40点 2人
    2 30点 1人
    パス 20点 6人 となっています。ふむ〜〜。。
Alder「3。これがメジャーのうちローワー()の方が長い
 ことを示すとできないだろうか。」
黒川「3。メジャー2スーターである。」
Kantar「2NT。ここでの2はナチュラルとなる。」
McCance「2NT。2は4−6、3は6−4形を示す。また、
 ダブルではシェイプと強さが伝わらない。」
Marston「ダブル。点数よりシェイプによるダブルであることは
 はっきりしているから。」
Reese「LHOのマイナーオープンに対する2はナチュラルとすべ
 き。また、オポの方が点があることは明らかである以上、機械
 的に2スーターオーバーコールするより、長いをトランプ
 と決めて、2オーバーコールがいいと思う。」
いろいろな考え方があるもので。。

「Few Points-Big Fit(2)」から
Imps, game all
  S  W  N  E
  1D P  1S P
  ?
Southのハンド:AJ873 _ KQ9874 J3
これは、4 100点 11人
    3 100点 5人
    6 80点 1人
    4 70点 9人
    3 50点 7人
    4 40点 2人
    2 10点 1人 となっています。
Reese「4。私の学んだ教科書によれば、4はボイドショウ
 イングとなる。」
Alder「3。もう少しHCPがあれば4のボイドショウイングを
 選ぶ。」
McCance「4。ポインツ・シュモインツ!」

まだまだいろいろ続いています^^



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