Bridge Conventions In Depth

2003年刊行。290ページ。66のコンベンションについて、その後の展開がまとめられています。おさらいに、あるいは知らなかったその後を知るために、さらにはそもそも知らないコンベンションを知るために有益です。一つ一つはそんなに詳細に述べられているわけではないので、まぁさわりの考え方を知る、あるいはさらに考えるヒントが載っているというところでしょうか。
取り上げられているコンベンションは
(1)基本的なコンベンションのその後
 ○ステイマン ○ジャコビートランスファー ○テキサストランスファー ○リバース ○ウィークジャンプ ○ドルーリー ○グランドスラムフォース ○アンユージュアルオーバーアンユージュアル
(2)よく使われるコンベンションのその後
 ○ヘルプスーツゲームトライ ○ジャコビー2NT ○サポートダブル ○3,4番手での4枚メジャーでのオープン ○ウィーク2に対するオーガスト ○Clarifyingキュービッド ○1、1オープンに対する2NTレスポンス(ナチュラル/フォーシング) ○ジョーダン ○競り合いでのノンフォーシングニュースート ○スローアライバル ○スモーレン ○リトランスファー ○パペットステイマン ○ステイマン後のスラムトライ ○シンプルキーカードブラックウッド ○ベイビーブラックウッド ○DOPI/DEPO ○イタリアンキュービッド ○フォーシングパス ○競り合いにおけるパス ○ランディー ○特定スートのマイケルス ○ストロング2後の競り合い ○バーゲンレイズに対するディフェンス ○マルチ2に対するベストディフェンス
(3)ディフェンシブカードプレイに関するコンベンション
 ○AフロムAK ○10プロミス、Jディナイ ○NTコントラクトに対するリードダイレクティングダブル ○スラムスペードダブル ○リードダイレクティングパス ○ドロップタッチングアナー ○トランプでのSP ○オビアスシフト ○スミスエコー
(4)優れた芸術的コンベンション
 ○ベイカントダブル ○競り合いでの3の台でのトランスファー ○パートナーの1NTオーバーコールに対するレスポンス(システムオフ戦略) ○トラップパス ○ナチュラルな1NT−2NTの考察 ○3の台のプリエンプトに対するRoth4 ○ダブルキーカードブラックウッド ○エクスクルージョンブラックウッド ○特定のKアスク ○スクイズビッド(ラストトレイン) ○4=ブラックウッドしてください ○1−1M−3の後の展開 ○ニュースート2NT ○LOTTの活用 ○10〜12点1NT ○Trentウィーク2 ○トランプキュービッド ○シングルトンキュービッド ○競り合いでのスイッチトランスファー型レスポンス ○Ziaキュービッド ○アーティフィシャルビッドに対するパートナーのダブル後のプリエンプティブジャンプ ○1オープンに対するアンダービッド(トランスファー型)オーバーコール ○XYZコンベンション ○Yellow Rose of テキサス
となっています(ふ〜。書くだけで疲れました(爆))
 興味ある記述少し紹介します。

1.ステイマン(1NT)
 「5枚メジャーを持って1NTオープンする場合は、アナザーメジャーも3枚もっていること」 (^_^)3 フムフム
 オープナー A9 KQ762 J54 AQ3
 レスポンダーKQ872 AJ3 32 J83
オープナーが1NTオープン後、2!−2−3NTとなると
を打ち抜かれて1ダウンします。しかし
 オープナー A94 KQ762 J54 AQ
というハンドだと、1NT−2!−2−3NT−4と受け止められるからだそうです。なるほど^^

9.ヘルプスーツ・ゲームトライ
 ヘルプスーツ・ゲームトライによって何を失うか。
@3NTに到達するためのナチュラルなビッド
  オープナー AK632 87 KQJ4 A2
  レスポンダーJ52 QJ32 763 KQ4
   1−2−3−3NTというビッドが不可に。。
Aナチュラルなスラムトライが難しくなる
  オープナー AQ8643 8 AK84 A2
  レスポンダーK52 Q63 Q763 QJ4
   1−2−3−? 6に到達しにくくなる。。
Bオープニングリーダーにあなたのハンドの情報が良く伝わって
 しまう。。

11.サポートダブル
 サポートらブルによって何を失うかが記述されています。逆に言えばサポートダブルを使うプレイヤーが常に気をつけなければならないポイントが整理されているといえます。
@効果的なペナルティーダブルが使えなくなる。
Aオポーネントに低い台でフィットを見つけられやすくなる。
Bレスポンダーが4枚だったとき、競り合いに弱くなる。

29.ランディー
 ここでは、「オポーネントの1NTオープンに対する競り合いの手段として多くのコンベンションが考案されているが、多くのエキスパートが単純な古いコンベンション「ランディー」を使ってることにあなたは驚くにちがいない」(ランディー:1NT−2C=ボスメジャー)と書いてあります。ほほぉ^^

43.ベイカント・ダブルトン(Vacant Doubletons)
 42 Q63 AK42 J654
こういうハンドを持っていて、パートナーが1NTとオープンしてきたとする。さてここでどうするか。
このような、@レスポンダーが4枚メジャーはないものの、少なくともアナーつきの3枚メジャースートがあって、A6枚マイナースートがないとき、このベイカント・ダブルトン(VD)コンベンションを使うと効果的だとされています。
 1NT−2:この2が「VD」コンベンションで、マイナー
   スートがベイカント・ダブルトンかを示します。
 2NT−?:この2NTは「どういうタイプ?」との問いです
    −3:マイナー フォーシング
    −3がダブルトン
    −3がダブルトン
    −3がダブルトン
これを聞いて、オープナーは4−3フィットのメジャースートでゲームをトライすることもできるとのことです。

45.パートナーの1NTオーバーコールに対するシステムオン
 の弊害
K32 ビッド

W  N  E S
1S 1NT P ?
A94
AQ84
A32
AQT54 97
QJ5 76
KT6 9732
Q4 KT865
J86
KT832
J5
J97
このような場合、オープニングビッダーからOLさせることによって、(すでにスローン状態になっていて)どのリードもディクレアラーに1トリック多く献上することになると書いてあります。
したがって、1NT−2(ステイマン)に対する答え方も通常と異なって1NTオーバーコーラーが逆にトランスファー的に答えると書いてあります。
 すなわち 1NT−2
      24枚またはメジャー4−4
      24枚
      2:メジャー4枚なし。ミニマム
      2NT:メジャー4枚なし。マキシマム
となるそうです。おもしろいですね^^

62.競り合いにおけるトランスファーレスポンス
652 ビッド

W  N  E  S
         1D
1S 2H P  3H
P  4H
AQ863
76
AQ6
AQJ74 98
92 754
A94 52
K53 JT9742
KT3
HJT
KQJT83
8
EastはをOL.EWは3つとAを取って、NSは1ダウン△100。この結果にあなたは満足しますか?
Marty Bergen、Meckwellなどの多くのハイテクビッダーは、このハンドをSouthが4でプレイできるように、トランスファーシステムを使っている。その差は13IMP!
このハンドでは、1−1−2これがを示し、2これはを示すとのことです。目的は強いハンドの持ち主からOLさせることです。なるる〜〜



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