2003年刊行。143ページ。ハイレベルなテクニック集です。
全体構成は
第1章 オプションを組み合わせる
第2章 エントリーのプラニング
第3章 エリミネーションプレイ
第4章 スクイズの準備
第5章 ラフされることを避ける
第6章 ディフェンスでのディセプション
第7章 ディフェンダーのカードを読む
第8章 スクイズ・ウィズアウト・カウント
第9章 ディクレアラーの心理を読む
第10章 悪いトランプブレーを克服する
第11章 アボイダンスプレイ
第12章 スクイズのディフェンス
となっています。各章の題名からしても高度な感じが伝わってきます。
いくつは紹介します。
第1章「オプションを組み合わせる」から
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ビッド N S 1 ![]() 2 ![]() ![]() 4NT 5 ![]() 5NT 6 ![]() 7 ![]() |
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極東選手権(PABF?)のあるボードだそうです。このハンドあなたはメークできますかとあります。1ペアは、トランプを刈り上げてフィネス、あっさり1ダウン。もっといい方法は
Aを取った後
を2回ラフすることです。もし
Kが落ちてくれば、
Qの下に
を捨てることができます。ダミーエントリーが3つあれりますので2回
をラフした上でなおかつダミーに入れます。
ところが、このボードで日本のユースチャンピオンはのOLを受けました。
KはRHOにありそうなので
Aで勝たざるをえません。ここで、チャンピオンは
Aを取って、
7でフィネスしてダミーに入り、
を刈りつつ
を2回ラフして
Kをドロップさせ、見事に7
をメークしました。日本選手の活躍が描かれていましたので嬉しくなって取り上げてみました。
第5章「ラフを防ぐ」から
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ビッド N S 1 ![]() 1 ![]() ![]() 3 ![]() ![]() 4 ![]() OL: ![]() |
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EastはK、Qと2枚取って
Qにスイッチ。さてここで?
失敗例:Qを
Aで取って、
を3回刈る。ここで
Jに負けることを知っても手遅れ。その後Westは
を3回目にラフ。2ダウン。
正解:Aの後、
A、
9とプレイする。これで、
リターンはダミーでラフ出来るし、次に
を刈り上げて
を走れるということで
4−2ブレークに対抗できます。
では、次にWestがもし、K、Qと取ってシングルトンの
にシフトしたら?このときはダミーで勝ってダミーから
をリードしてRHOに入らないようにしつつダックしてLHOに負けイにいきます。
では、最後にWestがを1回だけ勝って
にシフトしたら?このときはすぐに
をダックできません。そうすると、Eastに
で入って
をラフされてしまいます。そこで、ここでは、3トリック目、
をあなた自身でプレイして
を負けにいくのが正解!Westは
をラフできますが、その後
を3回で刈り上げられ
を走られます。Westが
をラフしなければ、今度は最初のパターンに戻ってダミーから
をリードしてWestに負けに行けばいいわけです。
では、では、ここでこのハンドを落とす方法は?Westは1トリック目にシングルトンをリードする。これでダウンです。
全く興味深いですね^^
第10章「ディクレアラーの心理を読む」から
ディクレアラーがどうしようとしているのかを分からないと良いディフェンスはできないという観点からの記述です。ディフェンダーが失敗しやすい例として次の例題があげられています。
4by South OL:
T
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OLのTをAで勝ったEastは
をリターン。それを
Kで勝ったSouthは3順目なんと
をリードしてきました。さてここで。
ディクレアラーがをK頭に4枚持っていれば
Aをダックすることによって、残り3トリック取られることを防げます。したがって一般的には
Aをダックするのがいいプレイです。しかし。ここではダックの意味がありません。というのはディクレアラーが
を4枚持っていれば、その4枚目はどうせダミーでラフできるからです。それより可能性が高いのはディクレアラーが
を2枚しか持っていなくて、エスタブリッシュしたダミーの
でハンドの何かをディスカードしようとしている可能性です。もしここでWestが
AをダックしてしまってEastが
Kで勝ってもEastからは
を打てませんのでコントラクトはメークしてしまいます。したがって、ここではWestは
Aを即あがって、
Jを出すことによって先に
で1トリック確保すること、これだけが唯一の落ち目で絶対の手順であるということになります。
というように続きます。
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