1994年刊行、同年ブリッジブックオブザイヤー。
410ページとボリュームたっぷりですが、余裕を持ったレイアウトで文章もとても読みやすく、かつ体系的にディフェンスに関するあらゆることが書かれています。体系的におさらいするためにも最適の本です。tacqさんもお薦め。
全体構成は
第1章 オープニングリード
第2章 3rdハンドのプレイ
第3章 2トリック目後のリード
第4章 その他のディフェンスの戦術
第5章 セカンドハンドのプレイ
第6章 アティテュード(カモン)シグナル
第7章 カウントシグナルとスーツプリファランスシグナル
第8章 トランプスートをめぐるディフェンス
第9章 ディスカードとディセプション
ランダムクイズ(36問)
第10章 コンベンショナルなリードとシグナル
AフロムAK、3rdローエスト、0or2ハイアナー、JディナイズTインプライズ、QフロムKQT9vsNT、アティテュードリードvsNT、MUD、ルジナウ、AforアティテュードKforカウント、アップサイドダウン、ラビンサルディスカード、カウントディスカード、オッドイーブンディスカード、スミスエコー、プレゼントカウント
となっています。
いくつか紹介します。
第1章「オープニングリード」から
「NTコントラクトで絵札がないロングスートのリード」
著者は、9763や87532からは「3」をリードすべしとしています。ローエストのOLはアナーを保証するものではないと。。次に、742などのくず3枚からは、トップオブナシング、MUD、ローエストなど議論はあるが、上手なプレイヤーはほとんどローエストをOLすると書いてあります。かつ、トップオブナシングのOLは「オールドファッション」だと書いてあります。ふむ〜〜。
「パートナーがビッドしたスートのリード」
これについて著者は、絵札があるときはローエストをOLすべしと言っています。「パートナーのビッドしたスートの場合は、常にハイエストをリードすべし」というのは初期の「ダークエイジ」の時代の古い格言で、何のメリットもないと言い切っています。
第3章「2トリック目後のリード」から
「ニュースートのリード」
ハンドA | ![]() |
ハンドB | ![]() |
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オークションはいずれもNorthから、1NT−3−4
でOLは
2(West)で、いずれも
2−
6−
T−
Qとなります。
ディクレアラーは3回トランプを刈ってをフィネス。Eastの
Kに負けます。さて、ここでEastはどうするか。
ハンドAの場合は、ロー(
3)を出して、
で3トリック取ることをねらいます。これに対して、ハンドBではハイ
(
9)を出します。このことによってパートナーはEastが
に興味がないことと
が唯一の可能性であることを悟って
をリターンしてくれるでしょう。
ハンドA,ハンドB、Westから見れば全く同じで、ウィニングディフェンスはKで勝った後のEastのリードにかかっているのです。
第5章「セカンドハンドのプレイ」から
ここでは、30例が示され、セカンドハンドでカバーすべきかしないか書かれています。
ダミー
J76 あなた
A92
こういう場合、ディクレアラーがダミーからJをひけばAをかぶせ、ローカードをひけばAはカバーしないといった感じで続いていきます。
第6章「トランプコントラクトでのアティテュードシグナル」
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コントラクトは4bySouth OLは
K さてここで?
先に4トリック取ってしまわないと、でルーザーをディスカードされてしまいます。なので、ここでは
2(ノンカモン)を出します。パートナーは
2をリード。あなたは
J、Kと取ります。さて、ここで?
Aキャッシュが正解。パートナーが
を5枚持っていれば4thベストの
2は出さなかったにちがいないと読みます。
第7章「カウントシグナルとスーツプリファランスシグナル」
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ビッド W N E S 1SX P 2DP 2H P 3HP 4H OL: ![]() |
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1トリック目は、T−
2−
J−
A
2トリック目、ディクレアラーはKをリード。ここでWestは
9を出します。Westが
4枚と読んでEastはダック(Southが
4枚あれば切り札刈らないうちに
は出さないはず)。次にSouthは
Kをリード、Eastはロー
。このときはWestが
5枚の場合にそなえてEastはすぐに
Aで取らなければなりません。(もしWestが
3枚なら、
Aを今取ってもダックしても同じなので)
カウントシグナルが必要な代表的な事例です。
という感じで基本的技術が詳細に述べられており、復習の意味でも基本をもう一度体系的に学習することは、とても重要であるように感じました。
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