World Class

Marc Smithさんが、世界のトッププレイヤーに直接取材し、いつごろブリッジを覚えたかとか、一番役に立った本はとか、最も強いプレーヤーは誰と思うかとか答えずらいようなこともどんどん聞いて、それをまとめたものです。プレイの上で参考になるというよりは、トップの方々の考え方など聞けて、これもとても新鮮でした^^
総勢25人。都合がつかずにインタビューできなかったスタープレイヤーもいることを謝っておられます^^
Section1:時代を超越したグレートプレイヤー
 Bob Hamman、Dorothy Hayden Truscott、John Collings
 P.O.Sundelin、Benito Garozzo
Section2:現代のスタープレイヤー
 Jeff Meckstroth、Geir Helgemo、Zia Mahmood
 Apolinary Kowalski、Magnus Lindkvist、Andrew Robson
 Alfredo Versace、Gabriel Chagas
Section3:女性のスタープレイヤー
 Nicola Smith、Sabine Auken、Maria Erhart、
 Karen McCallum
Section4:期待のスタープレイヤー
 Fred Gittelman、Boye Brogeland、Hackett兄弟
 Morten Lund Madsen
Section5:スターライター
 Larry Cohen、Eddie Kantar、Ron Klinger
 Mike Lawrence

少し紹介します。
○何才ころブリッジをはじめたか
 家庭でブリッジをしていた場合は、5歳〜9歳
 それ以外の場合は学生(高校〜カレッジ)が多かったです。
 Maria Erhartというオーアウトリアの女性は、24歳9月でブリッジを覚えて、3ヶ月後には80人参加の試合で2位、その2月後には120人参加の試合で優勝したそうですから、天才ですね。
○本について
・見つけられる本はずべて読んだと述べているプレイヤー:
  Bob Hamman、Benito Garozzoなど
・感銘を受けた、影響を受けた本で最もく名前があがった
 著者は
  Reese、Kelsey

○強敵、ベストプレイヤー
・Garozzo,Forquet,Belladonna
・メックウェル
・Helgemo
・Chemla
この6人がダントツ
その他、Zia,Rosenberg,Hamman,Aukenなども^^

○「Bob Hamman」の章より−印象的なできごと
 27歳の時のプレイで
 N:AQTx
 S:xxx
こういう配置で、RHOはが短いことが分かっていた。1〜2枚か。で、で3トリック取る必要があった。また、LHOには入らないようにする必要があった。KはRHOが持っているに違いないと考え、私はダミーからAをリード、するとRHOからKが落ちてきた!そこで私は別のスーツでハンドに入って、ローをリードした。LHOからは9。私は少し考えてダミーからT。私がTをコールしたとき、パートナーのLew Matheが「ばかだなぁ全く」と言った。そのとおり、RHOがJで勝った!このハンドを私はすぐには忘れることができなかった。

○「Zia Mahmood」の章より
 ローゼンバーグとハマンは、高い倫理観を持ち合わせており、私(Zia)にとって英雄的存在である。私がローゼンバーグとプレイするとき、規則の精神=公正さ(Fair)に則って判断している。したがって、仮にオポーネントがうっかりしてテーブルにカードを落としても、それによってアドバンテージを得ようとはしない。そういう勝ち方は望んでいない。勝つことは大事だが、スポーツマンシップと礼儀も同じように大事なことである。
 この文章には感銘を受けました。プロとしての自信と誇りがにじみ出ています。どの分野でもプロ中のプロはきっとこういう美意識というか誇りを持ってプレイしているんでしょうね^^

○「Sabine Auken」の章より
 1998年Macallan Invitational Pairsから 
T95 オークション
East:Auken
 W  E
    1C
 1S 2NT
 3S 6NT

OL:4
JT92
QT983
4
Q AK82
843 AQ5
J742 AK5
AKT83 QJ8
J7643
K76
6
7652
 4のOLをダミーのQで勝って、を2枚キャッシュしたとき、Northはを捨てた。私はこれを5枚からのディスカードと読んだ。そこで、を1枚だけキャッシュしてから残りのを走った。5枚目ののときにSouthはをディスカード。これを見て、Kでハンドに入り、を3回出す。3回目のをSouthは勝ったが、最後には私のAQに向かってリードしなくてはならなくなった。
 このハンドをなぜ取り上げたかというと、テーブルに座ったら完全にそのボードのプレイに集中して自分のポテンシャルを最大限に引き出すことによっていいプレイができること、私はそれをブリッジのプレイにおける最大の目的にしていることを説明したかったのである。向上心あるペアに送るいいアドバイスは、ハンドについてテーブルでは決して話し合ってはいけないということである。パートナーとも、オポーネントとも(それは最悪)。終わったハンドのことは考えてもいけない。それは済んだことであり、結果は変わらないのだから。そうすることによって、みなさんは次のボードで失敗しなくなるだろう。
 いいアドバイスですね^^

○「Fled Gitelman」の章より
 私は、ミッチェル・ローゼンバーグを崇拝している。その、信じられないカードプレイテクニックと高い倫理観について。
あるとき、ローゼンバーグがらしくないミスプレイをした。これまでに見たこともないような。。それで、後でいったいどうしたのか直接聞いてみた。このときの答が忘れられない。
「誰もプレイで完全であることはない。ウィナーとは失敗がより少ない者のことをいうのだ。」
 これを聞いて、私は自分自身の愚かなミスに対して自分自身を攻めすぎないようになった。大事なことは、ゲームを無茶苦茶にしないようにすること、次のハンドをプレイすることだと。
 これも印象的な逸話です^^



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