Understanding Duplicate Pairs

 2002年刊行。ラバーブリッジと比較して、ペア戦(MP戦)がどのような特色を持っていて、ビッド、プレイ、ディフェンス、全体の戦略など全般にわたって何に気をつけどう判断すべきかということが体系的に解説されています。もちろんチーム戦との比較解説も詳細になされています。σ(^_^)にとってはとても参考になりました。
全体構成は
第1章 デュプリケートペア戦の1セッションとは
第2章 コントラクトの種類(NT,スーツ)をどう選択するか
第3章 コントラクトのレベルをどう選択するか
第4章 競り合いのオークションの考え方
第5章 難しいビッドの判断事例
第6章 セーフティープレイ
第7章 オーバートリックの追求
第8章 ボード全体がどうなっているかを知る
第9章 ロスを最小限にとどめる
第10章 ディフェンスでのカウント(ペア戦とチーム戦)
第11章 ディフェンスにおける一般的な戦略
第12章 ペア戦に特有のディフェンス戦略
第13章 トップ&ボトム
となっています。
いくつか紹介します。

第4章「競り合いのオークション」より
 W   N   E  S
 1  2  2  3
 ?
(1)AQJ742 85 97 KQ6
 これは3。12hcpしかないが、6枚であり、スーツだとディフェンス力がないので、明らかに3
(2)AQJ74 875 97 KQ6
 バルでなくて、かつ上手なオポでダブルをかけられるおそれがないときのみ3。3ダブルなしは−100で3の−110よりお得。それ以外はパス。そのときはパートナーが4枚あってオフェンシブなハンドのときは3とレイズしてくれるはず。
(3)AQJ7 A75 976 KQ6
 hcpはあるが、形が悪い上にディフェンスブなので、オポがノンバルならパス。バルならダブル。オポがノンバルのときにダブルをしても50が100になるだけで得るものは小さい。チーム戦では特にそう。ペア戦ではダブルも有効。
(4)AQJ74 J75 Q7 A76
 バル関係にかかわらずパス。ディフェンシブなハンド。
(5)AQJ7 A75 QT7 KQ6
 E-Wにダブルなしで3をプレイさせてはいけない。あなたサイドのみバルなら3NTもあり得る。
(6)AKJ74 J7 8 KQJ42
 これは4。とてもオフェンシブなハンドである。

第6章「ペア戦でのセーフティープレイ」より
(1)3NT
West AK AKQJ 754 KJT3
East 74 T6 KQJ32 Q942
3NTbyWest OL:Q
1順目Aで勝って、さてどうする?のプレイはSouthがAシングルトンかATxxだと1ダウンする。チーム戦でをさわるのは愚か。手堅く3NTを作るべき。しかしペア戦ではで1トリック稼ぎにいくべき。
(2)3NT
West A9 AK43 AQJ KT43
East T2 J52 5432 AQJ5
3NTbyWest OL:K
OLをAで勝った後、チーム戦ではフィネスの前にAKを取ってみてQが落ちればフィネスの危険おかさずに3NTはメークできる。しかし、ペア戦では、それをやってQが落ちてこなかった場合、ダウン数が多くなる。そこで、ただちにフィネスするのが正解。

第9章「ロスを最小限にとどめる」より
West:43 A8432 AQJ6 87
East:T86 K7 K52 JT542
ビッドはWestから、1−1NT−2−2−P-P-P
NorthはK,Q,Jと続け、Southは925と捨てる。は4−4がわかる。3順目のをWestはラフ。K,Aと取る。Southは5,9、Northは6、Tとフォロー。さて、ここで?
オポが22hcp、8枚フィットしながら2で買い取れたのは大きかった。オポの2がメークすると見れば、−100はいいスコア。しかし−200だとボトムになる。さて、ここでを刈ってからをプレイするか、刈らずにをプレイするか。(これってときどき出てきますよね^^)
@が3-3ブレークなら6順目を出せば2はメークする。しかしが4-2なら、最後のも取られて、も3枚取られてあなたは5トリックしか取れないことになる。
Aもし、を刈らないでをプレイした場合、オポにをばらばらに使われて、あなたは1ダウンする。
 もし、バルなら−100はいいスコアなので、それで満足すべき。なのでをプレイして1ダウンに甘んじるべき。
 ノンバルなら?この場合は、N-Sが2をプレイしてどうなるかを考える必要がある。もし、いずれも4-2ブレークならオポは3がメークし+140となる。もし、3-3と4-2ブレークならN-Sは+110。いずれも3-3ならをラフできるので2は1ダウンする。ともかく、N-Sは+110か+140の可能性が高い。とすれば、−50はいいスコアだが3ダウンの−150は悪い。したがってこの場合も、を先にプレイして−50に甘んじるべき。
 さて、では次に6順目をプレイして3-3ブレークだったとする。ここでどうする?すでに6トリック取ったので3ダウンの危険性はもはやなくなっている。したがって、ここでを出してみるべき。(^_^)3 フムフム

こういう感じで、ペア戦とチーム戦の違いが明確に説明されていてとても新鮮でした(身についたかどうかはまだまだ疑問ですが^^)



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