2003年発行。世界レベルでの様々なトッププレイヤーの試合を題材として、ビッド、プレイそれぞれ、1回ごとに「さてここでどうビッドしますか」といったように読者に問いかけられて、あたかも実際にプレイしているような感じになります。様々なプレイヤーのビッド、プレイとその結果の違いなども載っていてとても興味深く読めました^^
全部で36問。176ページです。
まずはビッドから。
○The Bigger They Are
AKQT
AKQ2
A
KQJT
問:何でオープンしますか? 答:2
2−2
(RHO)−X
問:このXは何を意味しますか 答:ネガティブ(0〜7)
2−2
−X−3
−?
問:ここでどうビッドしますか 答:パス。フォーシング
パス。Xはペナルティー。4は2スーターなどなど。
このあとパートナーの4から4NT−5
−6Cとなって、さて
プレーはとなっていきます。
○Take Me To Your Leader
JT54
J87
AJT96
4
パートナー1−X(RHO)−?(あなた)
問:ビッドは? 答:3。フィットジャンプの3
が本当はベスト。4
はノンバル対バルならいいが、そうでなければルージングトリックカウントからは言い過ぎとなる。
なお4はお薦めできない。@代を上げすぎていることAオポにXされて
フィットを容易に見つけられてしまうこと
実践では、直ちに4。このあとLHOが4NT−P−5
−P−P−Xと続きます。で、5
に対するパートナーのXの意味。また仮に4NTにパートナーがダブルしていたとしたらその意味はなど問いかけが続きます。
次はプレイ編。
○The Pin Cushion
A94
KQT2
Q864
A94
RHOが1でオープン。あなたは1NT。これがパスアウト。(オポがバル)
OLは6。ダミーが開く。
ダミーT75
A74
753
T853
あなたA94
KQT2
Q864
A94
問:このOLをどう考えますか 答:普通ではない。普通はリードになるはず
問:では、この6のOLからオポの
をどう考えますか。 答:おそらくLHOは
シングルトンか
AxあるいはKxと持っていてあなたの
のアナーを捕まえようと考えている。
問:何トリックありますか 答:いまは5トリック
問:さらなるトリックの見込みは? 答:でもう1トリック、また
Kがオンサイドなどが考えられる。
問:T1:6−
4−
J−?ここで? 答:
Aを急いで取ってリード権を取る必要はない。他のスートにも心配なスートはない。またオポも7トリックただちに走る危険性もない。なのでダック。
問:EastはQを続けてきました。あなたはダック。Westは
2。3順目Eastは
K−
A−
3−
Tとなりました。オリジナルな
のポジションはどうなっていると考えますか? 答:LHOが4枚。Eastは
KQJが分かっている。もしLHOが3枚ならWestは
632の順で出すはず。
623という順であることからLHO(West)が
8632と考える。
問:ここでどうしますか? 答:急いでや
をさわらなくてもいい。ディフェンダーは
もう1枚と、
3トリックしか取れないのだから。
の絵札配置とディストリビューションを明らかにするために ここは
で負けに行くべき。
T4:4−
9−
3−
2
T5:8−
3−
3−
6
T6:A−
5−
T−
8
問:ここまでで何が分かりますか? 答:WestがA9でEastが
KJT2であることがわかる。
T7:5−
4−
8−
T
T8:2−
9−
A−
6
T9:7−
J−
K−
J
問:Eastのハンドについてさらに分かったことは? 答:EastのハンドはKQJ
xxx
KJTx なので
は3枚。
全体のポジションは、次のように思われる。
N D:7
C:T85
W E
D:K
C:?xxx C:?xx
S H:Q
D:Q
C:AQ
T10:Q−
7−
7−
4
問:ここであなたの選択肢は? 答:KがEastならば、
QでEastに入れれば簡単。しかし、Westが
Kを持っていたら、Eastが
Jxであることを期待して
A,Qと言う順に出してEastの
Jをはじき出さなければならない。
問:ではどちらのオポがKを持っていると考えますか。 答:はっきりとはしていない。Eastが
Kを持っていれば13HCPとなるので1NTでオープンしていた可能性がある。しかしバル対ノンバルで3番手での1NTオープンは危険もある。むしろ3番手ではスートオープンの方が安全なことが多い。Westの側から考えてみる。Westは
8632と持っていて4324のディストリビューションで
をOLしている。もしWestの
がくず4枚なら
をOLした可能性も
と同じくあったはずである。ただ、
Jxxxからも
KxxxからもいずれもぱっとしたOLでないことは確かだ。Westの後半のプレイはどうか。手がかりが2つある。1つ目は、5順目のEastの
3ディスカードにかかわらず7順目
でイグジッドしたこと。もしWestが守るべき
を持っていなければ7順目
ではなく、
でイグジッドしたかもしれない。もう1つは、Eastが
8の後、
Aも取ってしまったことである。
問:ということは? 答:WestはA9と持っていてディクレアラーの
をセットアップすることをおそれて
をOLしなかった。にもかかわらず、後で
Aを取ってしまった。それはなぜか?Westはスローインされて自分からリードせざるを得なくなることを心配したにちがいない。すなわち、
を自分からリードせざるを得なくなることを。ということは
KはWestが持っているにちがいない。
全体のハンドは下図です。(1997年ヨーロッパオープンチームマッチ イタリア対スペイン)
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イタリアのMassimo Lanzarottiは、1NTを1ダウン。OLを最初ダック。2回目に勝って
でイグジッド。Eastが勝って4順目
J−
4−
9−
3 T5:
2−
6−
A−
5 T6:
8−
3−
3−
Q!
AQJと持っているように見せてWestから
をリードさせないようにして、いずれダミーに
で入って
をリードし7トリック目を確保しようとする作戦でした。しかし、Westは
シフトEastもロー
を賢明にも出して1ダウンとなりました。スペインのLuis Lanteronはここで解説したとおりの展開で、最後に
A、
Qとプレイして見事にメークとなりました。なお、チーム戦自体はイタリアが優勝。スペインは9位でした。
とても勉強になりました^^
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