The Secrtes of Winning Bridge

1971年刊行の古い本ではありますが、σ(^_^)にとって内容はとても新鮮でたいへんためになりました^^山田和彦さんお薦めの3冊の中の一冊です^^

構成は
第1章 ハンドの価値
第2章 アナーの位置
第3章 In-And-Outバリュエーション
第4章 価値を評価するテクニック
第5章 競り合いのオークション
第6章 ラバーブリッジの考え方
第7章 4−ディールブリッジの考え方
第8章 マッチポイント(MP戦)の考え方
第9章 バランシング
第10章 MP戦でのディクレアラーのプレイ
第11章 ノーマルなコントラクトでの注意
第12章 セーフティープレイ
第13章 マッチポイント戦でのプレイクイズ
第14章 チームオブ4の戦いのこつ
第15章 IMP戦のこつ
第16章 パートナーシップとコンベンション
となっています。
ハンド評価方法、MP戦(ペア戦)とIMP戦(チーム戦)の違いなどいずれもとてもためになりました。
いくつか紹介します。

第3章「イン−アンド−アウトバリエーション」から
 パートナーの1オープンに対して、次の2つのハンドではどちらの方が価値が高いか?
 (a)Kxx Axx xxx xxxx
 (b) Axx Kxx xxx xxxx
この2つのハンドでは、はっきりと(a)のハンドの方が強い!
これが「イン−アンド−アウト」のハンド評価の法則で、トップアナーがサイドスートに、セカンドアナーがパートナースートにあつほうがそのハンドの価値は高いとするものです。
 他方、第5章ではその応用編として、競り合いのとき、あなたのハンドがよりオフェンシブかよりディフェンシブかを判断する材料としてこの原則を用いて、「セカンドアナーがあなたのスートにあってトップアナーがオポスートにある方が、よりオフェンシブなハンドである」と書いてあります。
 で、パートナーの1オープンに対して
 Kxx xx Qxxx xxxx これはパス
 Qxx xx Kxxx xxxx これは2と書いてあります。
また、パートナーから 1−1NT−2となったとき
 x xxxx Axxx Qxxx これは2をパス
 x xxxx Qxxx Axxx これは3にレイズとなっています
興味深いです、とても^^
第15章「IMP戦とMP戦の違い(Adjust)」から
(1)建設的ビッドから
  1−1−1NT−?となったとき
 KQT93 62 QT62 93 というハンドを持ってどうビッドすべきか。
MP戦なら2とビッドして3メークの140を目指すべき。
しかし!IMP戦では、2とビッドすべきである!最も安全なパートスコアを目指すべきである。2メークの90や110は、2メークの110や140には1IMPのマイナスになるかもしれないが、2がダウンした場合には4〜5IMPのマイナスになるからである。
 ゲームのレベルでは、この考え方はもっと顕著になる。
 K542 K642 KJ3 KQ このハンドを持っていてパートナーが1NTでオープンした場合、MP戦なら4Mのコントラクトにするか微妙なところであるが、IMP戦だと3NTとビッドすべきである。
理由は3NTの方が安全だからである。
 スラムでも、NTにこだわることなく、マイナースートのスラムも模索すべきである。
(2)競り合いのビッドから
 どんな形でもプラススコアを取ることが大事である。
 1−X−2−3−?(ボスバル) ここで
 AQ743 A4 74 KJ64 というハンドを持っているとき、
MP戦だと3と言うかどうかは重要な問題である。このハンドがあなた側のハンドであった場合、31ダウンの100では割が合わない。3メークだと140になるからである。さらに、カード配置が悪くて3がダウンしたとしても、そのときは3はメークしてるかもしれないのでマイナス100はそんなに悪いことにはならない。
 しかし!IMP戦では、よりコンサーバティブなパスを強くお薦めする。第一にパートナーの判断が残っている。第二に、3、3のいずれもメークするかどうか分からないということである。両方のコントラクトがメークしない場合、あなたのトータルロスはたったの1IMPである!3メーク、31ダウンの場合、31ダウン、3メークのいずれのケースも1IMP。あなたが大きな失点をするのは、3、3いずれもメークした場合で、この場合は140+140=280でこれは7IMPの失点となる。しかし、あなたのハンドから見れば3、3いずれもダウンする可能性の方が高く、その場合は、100+100=200の5IMPの得点につながる。さらに、加えて、3とビッドすることにより悪いブレークの場合ダブルがかかって、マイナス500といった予想外の失点をするリスクをあなた側が負うことになる。
 ただし、ゲームのコントラクトでは、ラバーブリッジにおける原則「bid one more」が適用されることに注意.
(3)サクリファイスから
 一般的に言えば、サクリファイスは「losing bridge」だと考えている。もちろんMP戦では必要なことであるが(それでも筆者は本質的に好んでいない様子w)。
 バルのオポが4をビッドしてメークすると620。これを5でサクってダブルがかかり3ダウン、マイナス500は差し引き120の得である。が、3IMPに過ぎない!ところが、もし4がダウンしたら?
あなたのオポがあなたのチームの4をダウンさせたら、500+100=600はマイナス12IMPになってしまう。これが引き合うためにはあなたはマイナス300を分岐点として考えるべきである。
ふむ〜〜
第16章 「パートナーシップとコンベンション」から
 コンベンションはパートナーとよほどしっかり話し合っておかない限りむやみに使わない方がいいと書いてあります。その例として、
(a)1−2−2NT−4NT
(b)1NT−3−3NT−4NT
(c)2NT−3−3−4NT
(d)2NT−3−3−4NT
この4NTのそれぞれがブラックウッドかどうかという質問がBridge World Magazineで100人を超えるエキスパートになされたところ
(a):20%がBW,80%がそうでないという答え
(b):49%がBW,51%がそうでないという答え
(c):63%がBW,37%がそうでないという答え
(d):49%がBW,51%がそうでないという答え
だったそうで、単純なブラックウッドでも、しかもトップエキスパートの間でもこれだけ答えが分かれるということですから、いろいろなコンベンションをパートナーと話し合わないで使うことは試合での好成績には結びつきにくいということのようで^^

などなどです^^



戻る

レビュー3へ

トップへ

次へ