1999年刊行。237ページ。ディフェンスの技術が体系的にまとめられています。文章は平易で、活字もとても読みやすく工夫されています。
構成は
第1章 スートコントラクトでのディフェンスプランを立てる
第2章 考えることを学習する
第3章 ディストリビューションをカウントする
第4章 トリック数をカウントする
第5章 HCP(ハイカードポイント)をカウントする
第6章 トランプでトリックを取る
第7章 OLのためのダブル
第8章 カードプレイ
ディフェンスの基礎を作るには、桜井先生の「ディフェンスのシグナルとカードプレイ」で十分かとは思いますが、復習の意味でもあるいは、もう少し全体を体系的に理解するために読んでみるのは有益かと思いました^^
少し紹介します。
第2章「プレイから推論する」から
(1) North(ダミー)
West(You)AQ6
KT853
のコントラクトで、あなたは4thベストの
5をリード。
ここで、ダミーからAが引かれたときは、ディクレアラーはお
そらくシングルトンと考えられる。ダブルトンならQを出すの
が普通だからだ。同時にQが出された場合には
Jはパート
ナーにあると推測する。もしディクレアラーがJを持って
いたらダミーからQをひかないであろうことから。
(2) North(ダミー)
West(You)T953
KQ64
のコントラクトで、OLの
Kがホールド。パートナーは
2。
どう考えるか。パートナーがAか
Jを持っていれば、通常
カモンのシグナルを出すはず。他方ディクレアラーがAJと
持っていればAで取るはず。ハンドの
Jとダミーの
Tでトリ
ックを確保できるから。ということは。。パートナーがたぶん
J2と持っていて
Jを落とす余裕がないか、
A2,
AJ2と持っ
ていてオーバーテイクが得策でないと考えているかどちらか
であると考えられる。いずれの場合でもパートナーは最低1
枚のアナーを持っていると推測できる。
(3) North(ダミー)
West(You)QT6
J5
のコントラクトで、OLの
Jがディクレアラーの
Aに負けた。
さて、ここでどう読むか。Kはおそらくディクレアラーが
持っている。でなければ、普通Jには
Qをカバーするはず。
(4) North(ダミー)
West743 East(You)
Q
K86
NTのコントラクトでOLがQ、でこれがホールド。あなたは
8
のカモンシグナルを出す。次はJがきた。ここでどうするか。
Kでオーバーテイクしてはいけない。パートナーは、あなた
のためにアンブロックしているのだ!パートナーがQJTと持
っていれば、Qの次には
Tを出すはず。出さないということ
は、ディクレアラーがATx(x)であるということになる。
第4章「ビッドから手がかりをつかむ」から
あなたはWestにいて
QT853
AK5
963
32 というハンドを持っている。
ビッドが、Southから1NT-P-2NT-P 3NT-P-P-P
となったときは、オポのどちらもが強くて長いスートを持って
いないと考えられるので、5をリードして
でトリックを取る
ことを期待する。
しかし、同じくSouthから1ーP-1
ーP 3
ーP-3
ーP 3NT-P-P-P
となったようなときは、か
で走られる前に取れるトリックを
取る必要がある。したがって、この場合はパートナーのが
Qxxxxあるいは
Jxxxx(ディクレアラーが
Qx)であることを
期待して、KをOLの選ぶべきである。
などなどです^^
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