Matchpoints

 1982年に刊行された本で、MP戦(マッチポイント戦)でのビッドやプレーの考え方について解説されています。チーム戦との考え方の違いなども論理的に書かれていますので、よく理解できます。
 ただ、基本的にσ(^_^)は生の試合にまだ出たことがないので、完全には分かっていないところが結構あります。最近BBOでペア戦やチーム戦をやる機会も増えてきましたが、IMP戦ですので、特にMP戦のスコアに関して書かれていることがピンときていません。。今後実体験をして分かるしかないかと思っています。

構成は
第1章 一般的概念
 1.悪い選択をしたときのコストとは
 2.マッチポイントの数学 3.勝つための2つの方法
 4.思い切ったビッドをするとき 5.練習問題
第2章 建設的ビッド
 6.ベストゲームを目指す(4-4フィット、5-3フィット、ロング
  スート、4-3フィット、マイナースートゲーム)
 7.ゲームに行くかパートスコアにとどまるか
 8.ベストパートスコア 9.ビッド方法の改善
 10.スラムビッド 11.低い代でのお邪魔
 12.高い代でのお邪魔 13.練習問題
第3章 競り合いのビッド
 14.競り合いの基礎 15.トータルトリックの法則
 16.マッチポイント・ダブル 17.お邪魔ビッド
 18.バランシング 19.ラスト・ゲス 20.高い代での決断
 21.練習問題
第4章 守りの(ディフェンシブ)ビッド
 22.オークションへの介入 23.プリエンプト
 24.ペナルティーダブル 25.サクリファイスビッド
 26.練習問題
第5章 プレイ
 27.オープニングリード 28.ディクレアラーのプレイ
 29.ディフェンス 30.練習問題
となっています。
いくつか紹介します^^
第2章「ゲームorパートスコア」から
 基本的な考え方として、MP戦ではゲームの可能性が高いと考えた場合のみゲームをビッドするというシンプルな考え方が正しい結論であることが多いとされています。これに対してIMP戦では、特にバルにときは40%のでき目があればゲームをビッドするのが正しいと。IMP戦では、ゲームがないのにゲームにいって落ちたときは6IMPの損(3メークはあったと見ると、170+50=220)。これに対してゲームがあるのにゲームにいかなかったときは10IMPの損(620−170=450)。したがって、6IMPX60%=3.6IMP。10IMPX40%=4.0IMPとなるので、ゲームをビッドすべきと。 これに対してMP戦の場合は、こういう点数差ではなく、他のすべてのペアとの結果の比較になるので、40%しかゲームの成功率がないと見たらゲームをビッドしないのが正しいと。
(最近BBOでIMP戦をやるようになりましたので、この意味はすごくよく分かりました^^)
 「スラムビッド」では、IMP戦ではスラムビッドは非常に重要であるのに対し、MP戦では競り合いのビッドの方が大事とされています。10〜20点勝つのと750点勝つのとでは等価値であると。。

第2章 「低い代での競り合い」から「フリービッド」
ボスバル South 8 AQ874 Q4 AJ872        
オークション N E S W
            1H1S
        2H2S?
このとき、Southは3とビッドすべきである。この3はRHOが2と言わないで黙っているケースとは違って、きたるべき3のビッドに備えてNorthが正しい判断ができるように、Southがハンドのバリューを示したものである。したがってNorthはパーフェクトなフィットとマキシマムバリューがある場合のみゲームにジャンプすべきである。では、引き続きWestが3とビッドしてきたとき、Northはどう判断すべきか考察しよう。
a、K42 JT5 876 KT93
  Northは3に売り渡すべき。4と競るオフェンシブなハンド
  でもないし、3がオポもよくフィットしたハンドであること
  を警告している。3を落とせるかどうかで勝負すべき。また
  3に対して他のペアはさらに競って失敗するかもしれないの
  で、EWが140点取っても悪いボードにならないかもしれない。
b、K42 JT5 KT93 654
  これは3に対して「ダブル」をすべき。このダブルは、ゲー
  ムの可能性を示唆するものではなく、NS側に3があって140
  点取れた場合に備えて、31ダウン200+を確保しておこう
  とするものである。
c、742 K532 K876 K3
  これは4をトライすべき。
では、Southが3でゲームトライをしたいハンドだったらどうするのか。答:ただちにゲーム(4)をビッドし結果を期待すべし。
おもしろいですね^^

第5章 「オープニングリード」から
 IMP戦と違って、オーバートリックを相手に献上してしまうかどうかはMP戦では極めて重要な結果をもたらす。

ノンバル West KJ8 T92 A63 9543
オークション S:1NT N:3NT
IMP戦ではJが、パートナーが長いを持っている場合ベストな打ち出しになるかもしれない。仮に失敗してオーバートリックを取られても結果に大差はないからだ。しかし、MP戦ではそのような冒険は控えるべきである。JのOLは成功するよりオーバートリックを与える結果になるケースの方が多いので、ここではパッシブなをリードすべきである。

NSバル West AQT 932 JT8 9743
オークション S  N
       1H 3C
       3H 4H
このビッド経過から、ディフェンダーの攻めところはであることは明白である。IMP戦ではJがいいOLであることははっきりしている。しかしMP戦では、Aキャッシュが望ましい。このOLで損をするのはSouthがKを持っていて、Eastにエントリーがあるときのみ。他のケースではイーブンか得するかであろう。

こういう感じで続きます。刺激的でした^^
後は実践で試すのみ?



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