1989年に刊行された本です。「2オーバー1ゲームフォース」という題ですが、マイク・ローレンスの「ワークブック オンザ 2オーバー1」が、2オーバー1のレスポンスにほとんどの焦点を当てているのに対し、この本は、5枚メジャースタンダードシステムをベースにして、1オーバー1レスポンス(1−1
)なども含め、体系的に解説がなされており、また様々なコンベンションについても、なぜそれを使う必要があるのかということまで解説がなされています。例題も豊富で、読めばシステム全般がよく理解できます。σ(^_^)にとって、2オーバー1の体系的な本を読むのは初めてですので、ずいぶん勉強になりました^^
構成は、
第1章 オープニングビッド
NTのオープン、1st,2ndでのスートオープン、3rdでのスート
オープン、4thでのスートオープン
第2章 スートオープン後のリビッド
オープンスートのリビッド、レスポンダーのレイズ後、レスポンダー
スートのレイズ、6−4形、リバース、3NTのリビッド
第3章 レスポンス
プリエンプトジャンプシフト、マイナーオープンへのレスポンス
メジャースートオープンへのレスポンス(シングルレイズ、フォー
シングレイズ、バランスハンドのGF,アンバランスハンドのGF,
リミットレイズ、ドルーリー)、1−1
フォーシングNT、パスハンドの1NTレスポンス、2オーバー1
レスポンス
第4章 レスポンダーのリビッド
5〜9ptsのリビッド、9〜12ptsのりビッド、ニューマイナー
フォーシング、12pts〜のリビッド、スラムトライ、4thスート
第5章 NTオープンへのレスポンス
第6章 2の代以上でのオープン
第7章 競り合いのビッド
キュービッド、ダブルなどコンベンションの紹介が多いです
第8章 スラムビッド
第9章 デュプリケートの手続き
となっています。
マイク・ローレンスの本と大きく異なる点は、ローレンス本が2/1オールモーストGF(1−2
−2
−3
などはパスあり)であるのに対し、ハーディー本では基本的にGFとなっている点です。ハーディー本では、9〜12ptsの6枚
のハンドについては1
−3
というレスポンスを用意しています。また、1
−2
−
、1
−2
−2
この2パターンについて、ローレンスはいずれもリバースになり通常のハンドよりK1枚分強くなければいけないとしている(P30,P105)に対し、ハーディーは形を示しているだけで強さは保証していないとしています(P33 Example16e)。
ローレンス本のブックレビューに全体の違いを表にしてあります。
また、様々なコンベンションも考え方、使い方などやさしく詳しく解説されていて、とても参考になります。
σ(^_^)がはじめて知ったコンベンションとしては、
Kokishゲームトライ、トップアンドボトムキュービッド、アクションダブル、フリップフロップ、アスキングビッド、スーパーガーバーなどがあります。
ビッドの具体例で参考になった一例は、
1−1
−1
となってレスポンダーのリビッドがどうなるか6例があげてあります。
(a)K642
QJ64
93
653
→パス
(b)KJ64
KJT4
93
653
→2
(c)KJ64
KQT4
93
Q53
→3
(d)KJ64
AQT64
93
Q5
→4
(e)KJ64
AQT64
9
AQ3
→4(スプリンター)
(f)KJ64
AQT4
93
AQ3
→2(4thスート)から
レイズ
というような具合です。
さらに、読むべき本としては、マイク・ローレンスの2冊が紹介されています。
@「Judgment at Bridge」競り合いのビッドに関して、初・中級のプレーヤーは絶対読んだ方がいい。中・上級のプレーヤーも得るところは多いはずと書いてあります。
A「The Complete Book on Balancing in Contract Bridge」バランシングのバイブルだと書いてあります。
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