「この本は、すべてのルール(法則)には例外があって、その場合にもうまくいく方法があることを教えてくれます。」と巻末で紹介されています。
構成は
第1章 When the normal card is wrong
(普通のプレーではだめなときがある)
第2章 The first hurdle(1トリック目に考える)
第3章 Unusual moves in defence
(普通でない(想像力ある)ディフェンス)
第4章 Keeping cool in the hot seat(冷静さを保つ)
第5章 Imaginative deception(想像力あるデセプション)
第6章 Twist in the tail(エンドプレー)
第7章 Avoiding the blind spot(トッププロの盲点)
第8章 Offbeat squezeese(スクイズの攻防)
第9章 Hands bizarre and macabre(異様なハンド集)
訳は、掲載されている内容に合わせました^^;;
題材の多くは実戦からとられているそうです。
いくつか紹介します。
第1章から
名手が冒したエラーをあなたは指摘することができるでしょうか。
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オークション S W N E 1 ![]() ![]() ![]() 1N P 3N |
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1トリック目:8−
2−
Q−
K
2トリック目、ディクレアラーはハンドからロー、Westはここで
9、ダミーの
Jが勝ちました。3トリック目にダミーからロー
、
Qが
Aに負けました。
状況をよく把握したWestは、パートナーが期待してるをすぐには返さず、
で2トリック取れるようにする作戦に出ました。ディクレアラーが
をハンドのJに向かって出したとき、EastはAで勝って、さらに
2個、
1個取ってコントラクトはダウンしました。
ディクレアラーがJを取る前にディフェンダーに
をエスタブリッシュさせてはならなかったことは明らかです。では、どうすればよかったのか。正解は、ちょっと奇妙ですが、2トリック目にハンドから
Qを流すことですこの方法は、もしEastが
AT9xと持っていて、
Qを1回ダックされるとうまくいきませんが、1トリック目の
から見て、Westの方がEastより
は長いと感じられます。
第4章から
アンユージュアル2NTがコントラクトメークの助けになった例です。
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オークション S W N E 1 ![]() ![]() 4 ![]() OL: ![]() |
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1トリック目:4−
J−
A−
2
2トリック目:K−
6−
2−
3
3トリック目:4−
A−
3−
J
4トリック目、ローを
Jでラフし、5トリック目
Kの下に3枚目の
をディスカードしました。
WestがQxxの0355のハンドであることが明らかになりました。この推理を前提に、6トリック目
7でフィネスし、ハンドの4枚目の
をダミーの
Tでラフ。その結果
5
75
Q85
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Q85
8
T96
T8
AJ9
AK96
T7
となって、ダミーでハイラフしておいたおかげで、5→
9で残りのトランプを刈り上げることができ、10トリック目はダミーの
Qを取れるようになりました。すばらしいプレーでしたが、2NTの助けがなければ果たしてメークできたかどうか。。
ところで、ディフェンス側に何か対抗策はなかったものでしょうか。3トリック目、Eastがではなく
Qをリターンしていたら?すると
を2回ラフした後残りの
を刈り上げるためのハンドへのエントリーがなくなり、
をラフして戻ると、
を刈り上げた段階でハンドの
もなくなってしまうのでストッパーがなくなり、
Qを取る余裕がなくなってダウンします!なんと玄妙な応酬でしょう^^
第7章から
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ワールドインターナショナルチャンピオンシップのラウンドロビンのディールです。
コントラクトは6テーブル全て3NTで、全てのテーブルでWestはハイ、2トリック目ロー
と進みました。
最初の決断はをフィネスするかしないかです。
2人がAで上がり、
をフィネスしに行きました。ここで、Westの一人オーストラリアのBorinは、
Kで勝って
Kを取って
をリターンするというすばらしいディフェンスを見せました。これでSouthはダミーへのエントリーがなくなってしまいダウンしました。もう一人はディフェンスミスでメークしました。
Belladonnaは別のラインをとりました。をハンドのJで勝って、
AKQをキャッシュしブレークの悪さを知って、
9でフィネスし、
A、ロー
でWestにイグジットしました。Westは
K、JとやってSouthに放り込み結局1ダウンでした。あと2人が同じ方法を取り、1人がディフェンスミスで成功しました。
オーストラリアのCummingsは、をダミーの9で勝って、
A、Jと続けました。Westがこれをダックしたので、
AKQと取って、
2個取って
でWestにイグジットし、
Qで9トリック目を確保しました。オークションでWestがダブルをしていたので、リーズナブルな方法でした。
さて、ここで、6人全員がのがしたラインがありますが分かりますか?
2トリック目にダミーの9で勝っったとき、すべきことは基礎的な
のアボイダンスプレーです。ダミーからロー
、ハンドからは9!これで、
のブレークが5−1か4−2でもEastがJTxxと持っていて、Jをインサートしない限りメークします。
というように感心する手筋や応酬が、多くの実戦を題材に紹介されていっています^^
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