The Hidden Side of Bridge

「この本は、すべてのルール(法則)には例外があって、その場合にもうまくいく方法があることを教えてくれます。」と巻末で紹介されています。
構成は
第1章 When the normal card is wrong
    (普通のプレーではだめなときがある)
第2章 The first hurdle(1トリック目に考える)
第3章 Unusual moves in defence
    (普通でない(想像力ある)ディフェンス)
第4章 Keeping cool in the hot seat(冷静さを保つ)
第5章 Imaginative deception(想像力あるデセプション)
第6章 Twist in the tail(エンドプレー)
第7章 Avoiding the blind spot(トッププロの盲点)
第8章 Offbeat squezeese(スクイズの攻防)
第9章 Hands bizarre and macabre(異様なハンド集)
訳は、掲載されている内容に合わせました^^;;
題材の多くは実戦からとられているそうです。
いくつか紹介します。

第1章から
名手が冒したエラーをあなたは指摘することができるでしょうか。
742 オークション
 S W N E
 1 P 1
 1N P 3N
QJT8
KJ65
QT
83 AQT95
A962 K74
AT98 42
754 863
KJ6
53
Q73
AKJ92
1トリック目:8−2−Q−
2トリック目、ディクレアラーはハンドからロー、Westはここで9、ダミーのJが勝ちました。3トリック目にダミーからローQがAに負けました。
 状況をよく把握したWestは、パートナーが期待してるをすぐには返さず、で2トリック取れるようにする作戦に出ました。ディクレアラーがをハンドのJに向かって出したとき、EastはAで勝って、さらに2個、1個取ってコントラクトはダウンしました。
 ディクレアラーがJを取る前にディフェンダーにをエスタブリッシュさせてはならなかったことは明らかです。では、どうすればよかったのか。正解は、ちょっと奇妙ですが、2トリック目にハンドからQを流すことですこの方法は、もしEastがAT9xと持っていて、Qを1回ダックされるとうまくいきませんが、1トリック目のから見て、Westの方がEastよりは長いと感じられます。

第4章から
アンユージュアル2NTがコントラクトメークの助けになった例です。
JT53 オークション
 S  W  N  E
 1  1N  3  P
 4


OL:
KJ75
Q853
Q842
Q84 AT963
KT863 974
AJ942
AK976
AQ52
T76
1トリック目:4−J−A−
2トリック目:K−6−2−
3トリック目:4−A−3−
4トリック目、ローJでラフし、5トリック目Kの下に3枚目のをディスカードしました。
WestがQxxの0355のハンドであることが明らかになりました。この推理を前提に、6トリック目7でフィネスし、ハンドの4枚目のをダミーのTでラフ。その結果
       
       75
       
       Q85
           Q85
    8      T96
    T8     
    AJ9    
       AK96
       
       
       T7
となって、ダミーでハイラフしておいたおかげで、5→9で残りのトランプを刈り上げることができ、10トリック目はダミーのQを取れるようになりました。すばらしいプレーでしたが、2NTの助けがなければ果たしてメークできたかどうか。。
 ところで、ディフェンス側に何か対抗策はなかったものでしょうか。3トリック目、EastがではなくQをリターンしていたら?するとを2回ラフした後残りのを刈り上げるためのハンドへのエントリーがなくなり、をラフして戻ると、を刈り上げた段階でハンドのもなくなってしまうのでストッパーがなくなり、Qを取る余裕がなくなってダウンします!なんと玄妙な応酬でしょう^^

第7章から
954
QT74
AQT94
AKJT 632
K65 9832
K753 82
T6 J843
Q87
AJ
J6
AKQ972
ワールドインターナショナルチャンピオンシップのラウンドロビンのディールです。
コントラクトは6テーブル全て3NTで、全てのテーブルでWestはハイ、2トリック目ローと進みました。
最初の決断はをフィネスするかしないかです。
2人がAで上がり、をフィネスしに行きました。ここで、Westの一人オーストラリアのBorinは、Kで勝ってKを取ってをリターンするというすばらしいディフェンスを見せました。これでSouthはダミーへのエントリーがなくなってしまいダウンしました。もう一人はディフェンスミスでメークしました。
 Belladonnaは別のラインをとりました。をハンドのJで勝って、AKQをキャッシュしブレークの悪さを知って、9でフィネスし、A、ローでWestにイグジットしました。WestはK、JとやってSouthに放り込み結局1ダウンでした。あと2人が同じ方法を取り、1人がディフェンスミスで成功しました。
 オーストラリアのCummingsは、をダミーの9で勝って、A、Jと続けました。Westがこれをダックしたので、AKQと取って、2個取ってでWestにイグジットし、Qで9トリック目を確保しました。オークションでWestがダブルをしていたので、リーズナブルな方法でした。
 さて、ここで、6人全員がのがしたラインがありますが分かりますか?
2トリック目にダミーの9で勝っったとき、すべきことは基礎的なのアボイダンスプレーです。ダミーからロー、ハンドからは9!これで、のブレークが5−1か4−2でもEastがJTxxと持っていて、Jをインサートしない限りメークします。

というように感心する手筋や応酬が、多くの実戦を題材に紹介されていっています^^



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