Bridge Squeezes Interpreted

 スクイズ本第5弾です。著者は、イギリス人のようですが、世界的に著名なエキスパートであるかどうかは分かりません^^;;が、ともかく、ブリッジを始めて20数年経って、スクイズの研究を集中してはじめた方のようです。
アマゾン書店で、偶然見つけました^^
構成は
第1章 シンプルスクイズ(54ページ)
第2章 ダブルスクイズ(32ページ)
第3章 トリプルスクイズ(21ページ)
第4章 コンパウンドスクイズ(21ページ)
第5章 その他のスクイズ(28ページ)
     ガードスクイズ(6ページ)
     クラッシュスクイズ(3ページ)
     トランプスクイズ(4ページ)
     ストリップスクイズ(4ページ)
     クリスクロススクイズ(8ページ)
第6章 スクイズのディフェンス(28ページ)
となっています。
読者が一定の知識を持っていることを前提にした感じですので、レベルは低くはないです^^;; Kelsey本やDavid本を一通り読んでからでないと、結構難しいところがあっさり書いてあったりする部分もあります。
 この本が、σ(^_^)が今までに読んだ本と違うところは、実戦でシングルダミーでオポのハンドをどう読み、どういうスクイズを選ぶかという観点からずっと説明がなされていることで、その意味ではとっても実践的だと思います。スクイズ分類は他と違う独特の分類になっています。
少し紹介します^^

第1章 シンプルスクイズHand No.16
       N:K72   オークション
         AK76    N  S
         AKQ6    1H 1S
         86      3C 3S
                  4D 5H
       S:AQT94   6S
         Q32
         7543
         
コントラクト6 OL
T1:A T2:Kラフ(EastT)
T3,4: ボスフォロー
T5: EastはJをディスカード
さて、ここで。
のブレークが良くて(3−3は36%、3−2は68%)、のブレークが4−1(West4枚)でなければ(14%)12トリックは確実である。もし、赤いスーツのブレークが悪くても、一人のディフェンダーが長いを同時に持っていればさらなるチャンスが生まれる。7と7を脅し札とするオートマチックシンプルスクイズである。(著者はS1型と分類)
こういう場合の法則は、スクイズカードをキャッシュする前に、どちらかのスーツのブレークをテストすることである。の方が長いので、まずのブレークをテストし、もしが4−1ブレークなら、をAKQと取ってQでハンドに戻り、をさらに続ける前にTの下にダミーの4枚目の6を捨てる。その後、が3−3ブレークならそれでメークだし、4−2以上のブレークなら、4枚以上のを持ってる者がをも持っていた場合スクイズにかかる。
 注意すべき最大のポイントは、AKQをキャッシュするとき、のブレークまで心配することはないということである。は3−3かそうでないかどちらかであり、3−3でないときはを4枚以上持っている方がの4枚目も持っているかどうかはもはやラッキーかそうでないかという範疇の問題である。
 そして、最後にもう一度、スクイズができるということはコントラクトがメークすることを保証するものではないということである。スクイズの知識がなければダウンしているコントラクトをメークすることができるに過ぎないということである。
第2章 ダブルスクイズHand No.34
       N:AKQ2  オークション
         J75     S  N
         KQ43    1H 2NT
         A9      3D 3H
                  4H 5C
       S:73      5D 5S
         AKQ83   6H 7D
         A762    7H
         32
コントラクト7 OL
T1:4−5−2−
T2〜4: Eastは2枚、1枚をディスカード。ダミーからはをディスカード 
さて、ここでどう考えるか。
Eastののディスカードはをガードしていないか5枚持っているかのどちらかが考えられる。しかし、Eastはマイナースーツをガードしてそうな気配もある。そこでまずをテストしよう。KQを先に取ってみる。3−2ブレークならクレーム。しかし案の定、Westが2回目にを捨てた。
オポのハンドが少し分かってきた。
ここで、を3回まわしてみる(ハンドからはを捨てる)。もしEastがショウアウトすれば、ここでクレームできる。すなわち、2がLHOに対するメナスに、2がRHOに対するメナスになって、双方を守りきれなくなる。位置によるダブルスクイズである(著者はこれをDR1型と分類)。
もし、最初の4トリック目までに、仮にEastがを3枚ディスカードしたとしよう。どう考えるか。Eastは4144かもしれない。もしそうであれば、Eastはのシンプルスクイズにかかるはずである。その場合は、5トリック目にAを取って、次にダミーのKQを取り、Aでハンドに戻って、最後のを出せば(ダミーからは捨て)Eastはのシンプルスクイズにかかっている(Eastに4414のハンドを置いて確かめてみれば分かる)。
ただ、残念なことに、ここでEastの正確なディストリビューションを確かめる方法がない。Eastは3145なのか、4144なのか。
私がここでみなさんにお示しできる唯一の手がかりは、一般的には5431の形の方が4441よりはるかに出現しやすいということである。
ただ、3245のハンドから3枚を捨てることは普通はなかなかしないので、Eastが3枚を捨てた場合は4144。1枚、2枚を捨てた場合は3145と推理するのが合理的であろう。もちろんEastがを4枚持っているという事実を前提にした上での話であるが。
E−Wのハンドは次のようになっていた。
  W:J865   E:T94
    T964     
    5        JT98
    KT87     QJ654

第3章 コンパウンドスクイズでは、ハンドかダミーかバランスハンドで特定のスーツが走れないときに出現しやすいというヒントも^^

と、まぁこんな具合で続きます^^シングルダミーでの解説が多いので、一定の知識がないと理解できにくいところがあるかもしれませんが、逆に知識があると実践的な訓練にとても適してると思いました^^



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