Bridge Problems For A New Millennium

「Play or Defend?」がダブルダミーの問題集であるのに対し、この本はシングルダミーの問題集です。したがって、当然ながら難易度は簡単になっています。
問題を集めだした最初の頃には、英国のジュニアチームの訓練用に使っていたらしいですから、「うーん」と頭をひねる問題ではなく、手筋とか実戦での注意点とかが散りばめられていて、せいぜい2分くらいしか考えられない実戦用の訓練にもってこいの難易度かと思いました。
1問2分の制限時間で解いてみて、それでも分からなければあと10分程度考えることにしてみました。決してそんなに難しくはないですが、2分で考えをまとめるには難しいというかポイントが分からないと解けないという問題も多く、実戦に役に立つ問題集という感じがしました。(といってもσ(^_^)は実戦に出たことがないので正しい感想かどうかは保証の限りではありませんm(_ _)m)
 問題は全部で100問。
 1〜48問がダミープレーの問題
 49〜52問がプレーを見てコントラクトを当てる問題
 53〜76問がオープニングリーダーの立場での問題
 77〜100問が3番手のディフェンダーの立場での問題です。
いくつか紹介します。

問題1.Rounded Race
AQ4 左:問題図
右:解答図
オークション
W N E S
     P P
P 1C1H2N
P 3N

OL:
AQ4
Q8 Q8
KJ KJ
QJ8642 QJ8642
J9873 T2
95 KJ763
T873 Q962
A5 K7
K65 K65
AT42 AT42
A54 A54
T95 T95
ここで、どうプレーするか。3NTをメークできるかどうかはを開発してエスタブリッシュできるかどうかにかかっている。そのときEastはをエスタブリッシュしようとするから、それとの競争になる。もしAKがいずれもEastならば、コントラクトはどうやってもメークしない。幸いEastは最初パスしているのでAKは左右に分かれていると推測できる。
さて、どうするか。1トリック目はダミーのQを出す。EastがKを出してきたらダックする。この2点がポイントとなる。まず、Kをダックすることによって、でのE−Wのリンクを切って、Westがで勝ったときにを返せないようにする。次に最初ダミーのQをかぶせることによって、9をスルーされてそのまま勝たせた場合ににシフトされて、を開発されてしまう危険を防止する(Eastからはをだしにくい)。
最初ですから、問題自体は難しくはないですが、実戦で短時間でここまでクリアに考えられるかという訓練にはなります^^

問題33.Single Minded
972 左:問題図
右:解答図
オークション
W N E S
      1S
P 2CP 2D
P 3SP 5H
P 6S

OL:
972
J4 J4
K62 K62
AK743 AK743
T64
QT9765 K832
QT85 J3
J6 QT82
AKQJ85 AKQJ85
A974 A974
95 95
TをAで取って、さてここでどう考えるか。
切り札が2−2ブレークならを1回負けておけば4枚目のハンドのをダミーのでラフできてメークする。しかしが3−1なら落ちる。いずれにしても、まずをとって見る。2−2ブレークなら今の方法でメーク。実際は3−1だった。をダミーでラフする作戦はとれない。そこで。。
を刈り上げて、5トリック目を負けに行く!これがポイント。ダミーへのエントリーはであと2個ある。オポのリターンをハンドで勝ってダミーに入り、A、K、ラフで5枚目のがエスタブリッシュする。ハンドのKと5枚目のの下に捨てる。
なお、が5−0であった場合でも、5枚Cを持っている方がを4枚持っていれば、を走ればスクイズにかけることができる。

問題97.Telegraph Road
752 左:問題図
右:解答図



OL:
752
A6 A6
AKQ54 AKQ54
KQ4 KQ4
KQ AT83 KQ
43 82 43
JT72 963 JT72
AT852 J973 AT852
オークション
 W N E S
       3H
 P 4H
J964
KQJT9 75
OL3−K、これをAで取って、さてここでどうするか。
パートナーのWestが がボイドならそのスーツのハイカードを出してのスーツプリファランスを示せば、Westはラフした後を返してきて、もう1回ラフできるかもしれない(WeatがAを持っていることが必要ではあるが)。しかし、Southが長いを持っていることから、Westが何かのスーツがボイドである可能性は低い。
WestがAを持っていて、かつ5枚以下なら、2枚取って3枚目のをラフできればコントラクトはダウンする。(ここまでは、だいたいたどりつけると思います^^)問題は、ここでK、Qという順番で出すと、パートナーはあなたのがKQxであるかもしれないと考えてQをAでオーバーテークしないかもしれないということである。そこで、Q、Kという順で出すことがポイントである。
このリバースでパートナーにあなたがを2枚しか持っていないことをパートナーに気づかせるのである。もちろん、Kがそのままホールドすれば、あなたはパートナーのそのときののカードを見てのどちらのスーツプリファランスと判断して、どちらかのスーツにシフトする必要がある。
と、まぁ こんな感じです。決して考えつかないほどの難題ではなく、短期間で考慮しなければならない、また考慮することができるエッセンスが詰め込まれており、とても実践的であるような気がしています。
ちなみにσ(^_^)の場合、ダミープレーの後半、エリミネーション、エンドプレー、スクイズこのあたりはむしろ簡単に解くことができ、ディフェンス問題もまあまあでしたが、むしろ前半のダミープレーになるほどと思う問題が多かったです。ということは、それだけ基礎体力がない、カードコンビネーションの手筋を知らないということが分かったわけで、次なる課題がはっきりしました^^;;



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