LOTT(トータルトリックの法則)はコーヘンの前著(To Bid or Not to Bid)で一応の理解は得られると思いますが、この本では、さらに「調整」に主眼を置いて、様々な状況を詳細に解説していっています。
構成は
第1章 LOTT(1968〜2018)
第2章 LOTTのおさらい
第3章 LOTTの実際の適用に当たって
第4章 LOTTの調整
第5章 調整の実戦での適用
第6章 サポートwithサポート
第7章 ゲームでLOTTの考え方を使う
第8章 合法的なコントラクトの盗み
第9章 オランダでのプレーの例
第10章 USでのプレーの例
第11章 新聞でのクイズ(解説)
第12章 ボイドでのプレーを避ける
第13章 地方でのプレーの例
第14章 パートスコアに対するダブル
第15章 フロリダでのプレーの例
第16章 イタリアでのプレーの例
第17章 DONT
第18章 LOTTの統計
第19章 シアトルでのプレーの例
第20章 チリでのプレーの例
となっています。
第4章では、「調整」(Adjustments)について再度記述するとともに、その具体的な適用関係、何トリック増あるいは減とカウントするかについて述べています。
第5章では、実戦での調整の使用方法、考え方が述べられています。
MP戦、ノンバルで、2番手のあなたは
QT73
4
9874
K972
というハンドを持っています。オークションは
LHO Pard RHO You
1D P
1H X 2H 2S
3H P P ?
と進みました。さてここでどうするか。
これを、従来型の8−8フィット型ととらえて、3の代のビッドはしないと考えるべきか。否!トランプは8−8フィットでも、この場合は17トータルトリックあると考えるべきなのです。
どうしてか。
パートナーのダブルは、、
が4−4と考えられ、わが方の
は8枚フィットと思われます。仮にオポの
が8枚フィットとすれば、Pも4枚
を持っており、Pは4414のディストリビューションと考えられます。ということは、わが方もオポもダブルフィットしていることになり、ポジティブな調整要素が1つ生じました。
さらに、相手方スーツのマイナーアナー(QJなど)の有無を見れば、とてもPurityが高く、これも2/1または1トリックの増加要素となります。
そして、Pのが4枚ではなく3枚だったとしたら、調整する必要もなくもともと17トータルトリックあるということになります。
これらのことから、少なくとも17トリックはあると考えられ、ビッドを続けるべきという結論が出ます。
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全体のハンドです。いずれのサイドも9トリックずつあります。予測したとおり、17トランプで18トータルトリックありました。
第10章では、興味あることに、メジャー4枚でのオーバーコールについて批評してあり、マイクローレンスはその提唱者であるけれど、それをするとLOTTの計算ができなくなるので、自分はそういうオーバーコールはしないようにしていると書かれています。ふむ〜〜。いいとこ取りはやはりできないらしい(爆)
第12章では、ボイドではディフェンシブなビッドをするな、特に高いレベルではボイドでテークアウトダブルをするなと書いてあります。特にLOTTを使うときは、パートナーのダブルは4441を想定してLOTTを考えるので、そこに重大な計算違いが出てしまうということと、オポは逆にLOTTによって十分守られている可能性が高いこと、さらにプレーでも、強いダブラーのハンドに入っても逆がりできないのでダミーによるラフを防げないことがあるからなどが理由として掲げられています。
ふむ〜。そんなものかなぁと完全には納得できてないです^^;;
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