(ブックレビュー詳細)

Bridge Squeeze for Everyone

スクイズの本第3弾。
「Squeezes Made Simple」と著者は同じで、より詳細な解説がなされているバージョンという感じです。
構成は以下の20章立てです。
第1章 イントロダクション    第2章 スクイズの要素
第3章 カウントを整える     第4章 ビエナ・クー
第5章 ガードの切り離し     第6章 ガードのトランスファー
第7章 シンプル・スクイズ    第8章 ショウアップ・スクイズ
第9章 ダブル・スクイズ     第10章 カウントのいらないスクイズ
第11章 ストリップ・スクイズ   第12章 シューサイド・スクイズ
第13章 トランプ・スクイズ    第14章 クリスクロス・スクイズ
第15章 ステッピング・ストーン  第16章 バイス・スクイズ
第17章 ウィンクル・スクイズ   第18章 トリプル・スクイズ
第19章 ガード・スクイズ     第20章 コンパウンド・スクイズ
で、「Kelsey」の本との大きな違いは、「Kelsey」本がスクイズを分類し体系立てて詳細な説明が加えられているのに対し、この本はもっと実践的で、かつ枝葉を取り払って、分かりやすく、スクイズ相互の関係を示しつつ、どのように判断してどのタイプのスクイズを選べばいいのかが随所で解説されているという点です。
1例紹介します。
T96 ビッド
 W N  E  S
   1D 2S 3C
 P 3S P  3NT
 P 4NTP  6NT
 all Pass

 2S:weak

 8リード
AK8
KQ73
KQ4
85 AQJ742
T62 974
JT42 865
JT63
K3
QJ53
A9
A8752
 まず、シンプルスクイズの章では、EがAで勝ってQをリターンしてきたという設定です。ここでどうするか。
11トリックは確定しています。後1トリックをどうするか。もしが3−2ブレークならOKですので、KQを取ってみます。もしWがを4枚持っていたならも4枚持ってることを期待して、を走ると下図Aのようになって、QでWがマイナースーツでスクイズにかかります。
逆にEがを4枚持っていたならば、先にを4枚取って、次にを走ります(これが大事。Eをスクイズにかけるにはダミーからスクイズカードとなるを最後にリードしなければいけないので)。すると、下図Bのようになって QでEがのシンプルスクイズにかかります。
KQ73
無関係 無関係
JT52
JT JT
A9
A87 A87
では、ここでEが賢明にもAをダックしてJを出してカウントを整えさせないようにしたらどうするかというのが別の章(「Sqeeze without the Count」(Kelsey本ではストリップスクイズに分類))での解説になっていきます。
その場合は、まず3回を取ってその分かれ方を見ます。もしEが3枚持っていたなら、Wがをガードしている可能性が高くなります。したがって、4枚目のを取ってダミーからを捨てます。この段階で、Wはを残そうとするとマイナースーツでスクイズにかかってしまいます。仮にWがを捨てれば、を走ってWのJに負けても安全です。
 他方、Eがを2枚しか持っていなかったらどうするか。
ビッドから、は6−2では2−4ブレーク。ということは、Wはを合わせて7枚しかもてないことになります。したがって、Wをマイナースーツでスクイズにかけることはできないと考えざるを得ません。Eについて考えてみると、
Eをではスクイズにかけられません。なぜならそのときのスクイズカードはになって、EはNの後に捨てることになるからです。そうすると 残されたスクイズの可能性はでEがスクイズ(ストリップスクイズ)にかかることだけになります。
そこで、4枚目のを取ってダミーからは今度はを捨てます。それからKを1回取ってからを3回取ると、3枚目ののときに下図Bのようになって、Eがスクイズにかかります。Eがを捨てれば、Nのが1枚勝てますし、Eがを捨てればを全勝できます。
T96 T9
AK8
KQ73
KQ4 Q4
85 AQJ742 AQ
T642 97
JT6542 JT65
JT93 JT9
K3
QJ53
A9
A8752 A875
こういう感じです^^このほかにも、ポジショナルシンプルスクイズ、オートマチックシンプルスクイズとトランプスクイズの選択、シンプルスクイズ、ダブルスクイズとクリスクロススクイズの選択など、単なる知識を実戦で有効に活用するための考え方が随所に示されていてとても役に立ちそうです^^



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