(ブックレビュー詳細)

Kelsey On Squeeze Play

 体系だったスクイズの本を読んだのは初めてです。とにかくおもしろかったです^^寝るのも忘れるくらい^^;;
 様々なスクイズが紹介されていて、あらためてブリッジの奥深さを味わいました。
 この本は、一応スクイズの基本、考え方が分かっていて 実践でも何回か自分でやった経験があるけれど、いろんなバリエーションを知らないという方が読むと すごく効果があると思います。
その1 シンプルスクイズの巻
構成は
第1章 スクイズのメカニズム
第2章 位置によるスクイズ(Positional Squeeze)
第3章 位置によらないスクイズ(Automatic Squeeze)
第4章 ブロックを解消するスクイズ
第5章 ラッフィングスクイズ
第6章 スクイズのディフェンス
第7章 練習問題
となっていて、他の3分冊も基本は同じです。
 スクイズの要素が(1)スクイズカード(2)メナス(脅し札)(3)エントリー (4)タイミング であることは、ご存知の方が多いと思いますが、それぞれのちょっとしたずれを補ういろいろなバリエーションが紹介されています。
 第2章では、基本4要素の準備の仕方のほか、カウント・スクイズとトランスファー・スクイズが紹介されています。
 第3章では、位置によるスクイズとよらないスクイズの選択のほか、インバーテッド・スクイズ、サブマリン・スクイズ、シューサイド(自殺型・)スクイズが。
 第4章では、クリスクロス・スクイズ、ブロック型・スクイズ、ジェッッティソン・スクイズが。
 第5章では、ラッフィングスクイズと、オーバーテーキング・トランプ・スクイズがそれぞれ紹介されています。
 第6章では、スクイズのディフェンス方法が解説されています。スクイズの要素べつにどう守るかが体系的に学べます。
その中から 一つ。
QT7
S  W N  E
1S P 2C 2H
3D P 4S P
6S P P  X
P  P P
T64
KQ3
AK42
93 642
875 KQJ932
T97542
63 QJT5
AKJ85
AJ86
987
数年前のアメリカンナショナルチャンピオンシップで、クリスクロススクイズとラッフィングスクイズの類似関係が如実に出たハンドだそうです。
ライトナーダブルを受けて、がリードされました。で、Eastがラフ。Kをリターン。ディクレアラーは、トランプを2回で刈り上げて を4つ取り、もう1回トランプを出しました。そのときの姿は、
          
          T6
          
          AK4
              
      87      QJ
      9       
      63      QJT
          J8
          
          
          987
となっていて、SからJがリードされ、Nの4が捨てられたとき、Eはを捨てればでダミーにわたってをラフされ、HTが勝ってしまいますし、を捨てればAKと取られてラフでハンドに戻ってエスタブリッシュしたを取られてしまいます。トランプスクイズにかかりました。
 ダミーに2エントリーあったからがエスタブリッシュしてしまったので、Eは2順目にKの代わりにQをリターンして ダミーのエントリーを1つにすればトランプスクイズは不成功になったはずです。 そうすると どうなるか。
 今度は、ディクレアラーはAで勝ったあと、を全部走って を次に走って次のようなポジションに運びます。
          
          T6
          
          A4
              
      87      KQ
      9       
      6       JT
          
          
          
          98
ここでJがSからリードされると、今度もEは困っています。今度はクリスクロススクイズにかかっているのです。
Sに戻ってくるというAの役割をトランプが果たしているのがトランプスクイズ。しかし、Aでオポのを刈り上げるという役割はトランプではできないので刈り上げる代わりにラフで刈り上げます。そのためにクリスクロススクイズよりもう1個ダミーへのエントリーが必要になっているという構造がよくわかります^^
最後の練習問題では、6割できないと学習効果不十分ということで、何ヶ月かあとでもう一度トライしなさいなどど きびしいことが書かれています^^;;
(必死の思いでぎりぎりクリア^^;;)
それぞれのパターンを丸暗記しても効果はないとは思いますが、こういうパターンがあるということを知っていることは大きいのでないかと思います。
 また、読みながらいろいろな方を知り、攻防を頭の中で組み立てていくうちに、ときどき最初の配置から、スクイズの最終型が思い浮かぶようになり始めています。それまでは、最初の配置からどうして最後の形に飛べるのかいまいちよく分かっていなかったのですが、繰り返しいろいろなパターン、攻防を追っていくうちに なんとなく分かってきたような気がしています。(問題は実戦で使えるかです^^;;;)



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