(ブックレビュー詳細)
2002年に刊行された本で 現代のビッドについて 世界戦(Bermuda BowlとVenice Cup)を題材にしながら解説がなされていっています。
マイク・ローレンス氏の本が1980年代の古典あるいはビッドの基礎の基礎とすれば、この本はそれらの基礎を踏まえてさらに進化しつつある最新のビッドスタイルを紹介しているものと言えるかもしれません。
パート1 オポのビッドが入らないケース
第1章 どういう場合にオープンするか
第2章 どういう場合にレスポンスするか
第3章 オープナーのリビッド
第4章 レスポンダーのリビッド
第5章 それ以後のビッド
パート2 オポがオープンしたケース
第6章 ダイレクトオーバーコール
第7章 テークアウトダブル
第8章 パスアウトポジション
パート3 競り合い
第9章 パートスコア
第10章 ゲーム以上
という構成です。
第1章では、1,2番手と3番手、4番手の3種類に分けてオープン戦略が紹介されていますが、全体を通じて「ルールオブ21」が提唱されています。
これはマーティー・バーゲン考案の「ルールオブ20」に改良を加えたもので、
AK
QJ64
QJ84
QJ53
BAKQ3
KT4
872
543
従来の「ルールオブ20」だとハンドAは20点、ハンドBは19点でAの方がオープン基準をクリアしていたのですが、実質はその反対だということで、いくつかの修正をほどこしているものです。
また、12hcp、11hcpのときは21.5以上がオープン基準であるとして、世界戦ではオープンしているのかどうか検証しています。
1999年のオービスワールドチャンピオンシップの準決勝から
5
AK432
KT64
953(22点計算)favourable
8人中6人が1オープン
963
AKT876
KT2
5(22点計算)favourble
6人が1、1人が2
、1人がパス
などなどです。
第2章では、ウィーク2のオープンに対するレスポンスの目安として
Pのスーツが1枚かボイドのときは16hcp以上あるか、とくにすぐれたスーツを持ってるかでない限りパス。2〜3枚のサポートがあるときは、トリック数を数えて、オープンスーツはA,K,Qいずれも1トリック、それ以外のサイドスーツはクイックトリック数(KQxは1トリック)のみカウントして、3トリック以下ならパス、5トリックならゲームなどと書いてあります。
第6章では 「スーツクオリファイテスト」が紹介されています。あるスーツでオーバーコールするかどうかの目安として、カードの枚数とそのカードのアナーを足した合計数がオープンできる代だというものです。
AKJ75だと 5枚+3アナー=8ですので2
オーバーコールまで可能
Q7632だと 5枚+1アナー=6ですのでパス
AKQ3だと 4枚+3アナー=7ですので1
は可能
また、アーティフシャルなストロング1オープンへの対抗策として、このシステムの弱点は、強さのみ示してShapeを示せないことにあるとして、
1のあとのオーバーコールシステムとして
1=
+
1=
+
1=
+
2=
+
この4つがタッチングスーツで、離れたスーツのときは
ダブル=+
1NT=+
通常は5−5ですが、バル関係がいいときは4−4もありとしています。
これも刺激的な本でした^^
![]() 戻る |
![]() レビュー2へ |
![]() トップへ |
![]() 次へ |