Why You Lose At Bridge

1946年刊行。160ページ。
書かれたのは、ブリッジ草創期のとても古い本ですが、考え方は時代を超えて 当然ながら現代にも通じるものばかりで、あらためて勉強になります。
 まずイントロダクションで、ゲームに勝利するかどうかは、ダブルスクイズのような高度なテクニックを習得しできそうにないコントラクトをメークすることになるのではなく、あなたの習得したテクニック、戦略をフルに発揮できるかどうかにかかっている。本書ではそうやったらフルに能力を発揮できるかを示したいと書かれています。

なお、登場人物の4人はすでに世界的に有名人のようで
(Mr.Smug  The Unlucky Expert  Mrs.Guggenheim
 Futile Willie)

構成は
パート1−技術的側面
 1.確率を無視することによる失敗
 2.ダミープレイにおける失敗
 3.ディフェンスにおける失敗
 4.ビッドにおける失敗
 5.ダブルしないことによる失敗
パート2−心理的側面
 6.フィールド
 7.パートナーに教育するな
 8.ないよりまし
 9.だまされない
 10.弱者うを見抜け
 11.幸運の論理
 12.クラブでのラバーブリッジ
となっています。
いくつか紹介します。

まずは基本的な留意事項から
第2章「ダミープレイにおける失敗」から
 North
  :K86
  :KJT
  :A87
  :KJT9

 South
  :AJ9432
  :A42
  :54
  :A7
Southで上のハンドを持って4をプレイすることになったMr.Smug。
OLは
ダミーが広げられるや否や スマッグ氏は「A」と言い、「スラムを逃がしたかもしれません」とも言った。
2順目ダミーからKをプレイ。Eastはをディスカード。
苦笑いしながらAを取る。コントラクトは突然ダウンの危機を招いた。
ここで、いい手が浮かんだスマッグ氏。A、K、ラフとやってQが落ちてくれば、Jの下にを捨てて後で1トリック負けるかもしれないがそれでも4メーク。
その手順を踏んだ。
ところがの3順目をラフしたときWestはオーバーラフ、WestはさらにQ、Qと取って3回目のを出す。Eastはショウアウトして2枚目のを捨てた。
スマッグ氏はここで長考したあげく、A、スモールとプレイ。Westはショウアウト。EastのQに負けて1ダウンとなった。
スマッグ氏のミステイクは4つ
 1.1トリック目を急ぎすぎた
 2.トランプの扱い方を失敗した
 3.ルーザーオンルーザーをし損ねた
 4.カウントし忘れた。
この4つは、エキスパートでなくても誰でもできることであり、とても大事なことであるとして、4つの注意事項を順々に説明していっています。
「1トリック目を急がない」:この注意事項に関しては、「2トリック目のプレイ方針が決まるまでは1トリック目をプレイしてはならない」としています

第4章「ビッドでの失敗」「オーバービッドとアンダーにっど」
 ビッグハンドでオーバービッドし、貧弱なハンドでアンダービッドしがちであることについて。
オーバービッドのケース
あなたのハンド
 :AKx
 :ATx
 :AKxx
 :KQJ
このハンドで2オープンし、パートナーから2NTのレスポンスが返ってきた場合、3NTとリビッドし、それ以上動くかどうかはパートナーに判断をゆだねるできである。あなたは3NTで23〜25HCPを正確に示したのだから。ところが実際には、2NTに4NTから6NTの範囲でリビッドする
人がいかに多いことか。。

アンダービッドについて 
KQJ76 ビッド
 W  N  E  S
    1S P  2C
 3C!4C P! 5C
 P  P  P!!
873
KQ98
A985
AQ654 JT2
AQ7543 K982
65
T43
K9
T6
AJT743
は2ダウンにはなったが、6も6もメークしていた。
Westはの2スーターを示し、Eastのハンドはいずれにもサポートあって、Aまである。しかし4の台だからという理由だけでEastはパスしてしまった。おそらく多くのアベレージプレイヤーがパスすることだろう。
仮にEastのハンドが
 xxx xxx Kxxx xxxだったら?
これでも何かビッドすべきと言いたい。

第8章から
 冒頭で強調されていることは
 「The best result posssible,
   Not the best possible result.」
ということです。
半分でもないよりまし。

第9章から
(1):73
   :AK852
   :AJ83
   :Q5
  ビッドは右がディーラーで、3−?
(2)K76
   
   AKJ943
   A82
  ビッドはパートナーからで、1−(3)−?
(1)はパスが正解
(2)は5が正解

心すべき事柄として、ブリッジにアkつための大きなポイントは、あなた方自身の正しいコントラクトを見つけることで、オポーネントを間違ったコントラクトに導くことではないということであるとされています。

 このような感じで、時には基本的な、時には目新しい留意点の解説が続いていきます^^  



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