The Mistakes You Make At Bridge

2006年刊行。159ページ。
もともとTerence ReeseとRoger Trezelの共著によるものをRon Klingerがリバイスしたようです。

ビッド、ディフェンス、ダミープレイの3章からなり、それぞれが、「Worst Mistakes」、「The Commonest Mistakes」、「Mistakes That May Be Forgiven」の3つに分類して例をあげて解説されていっています。
読みやすく、分かりやすいです。高度ではなく、ま、整理して再確認するというおさらい用でしょうか。
いくつか紹介します。

まず
第1章「ビッドの失敗」
「最悪の間違い」から
○「1の台のレスポンス」
 Northが1でオープンし、Eastがパス。あなたはSouthにいて次のようなハンドを持っているとします。
53 AT764 642 743
ここで、「6ポイントないのでパスすべきだ」と教える人がいるかもしれないが、それは全くの間違いです。1とレスポンスすべき。
でパートナーがニュースートのフォーシングビッドをしない限り次はパスをする予定で。もしパートナーが
AKJ J953 7 AK865
のようはハンドをもっていたらゲームを逃がすことになりますし、1とレスポンスすることでオポーネントのビッドが難しくなるからです。

○「テイクアウトダブル」から
 RHOが1でオープン。あなたのハンドは、
AKJ53 KQ4 A85 72
ここではダブル。パートナーが2とビッドしてきても、2と言い直せるからです。また、パートナーがの良いスートを持って4とビッドしてきても大丈夫だからです。
 しかし、あなたのメインスートよりランクの高いスートが短い場合は状況が変わってきます。例えば
West KQ9642 T3 Q8 752
East 5 AKQ87 AJ43 QJ9
 W  N  E  S
    1C X  P
 2S P  3H P
 3S P  3NTP
 4S X  All Pass
いくつかのまずいビッドがありますが、最悪なのはEastのダブルです。シンプルな1がベストです。

第2章「ディフェンスの失敗」
「最悪の間違い」から
○「パートナーに対してフィネスする」から
       964
 AT53       KJ7
       Q82
3NTのコントラクトに対して、Westがローカード「3」をリードしてきました。ここで、Jを出す人は少ないでしょう。
しかし、この方法はスートコントラクトに対しては正解なのです。
       942
 QT853      KJ7
       A6
Westがサイドスートの「5」をOL。ここでEastが「K」をプレイしてSouthに「A」で取られたら、Qを誰が持っているか分かりません。そこで、このときEastはKではなく「J」をプレイするのが正解です、Southが「A」で勝てばEastは「Q」はパートナーが持っていることが分かるからです。

「よくある間違い」から
○「オープニングリード」から
1NT−3NTとなって、あなたのオープニングリード。
742 Q5 J8632 653
さて、何をOLしますか。
 オープニングリードは通常、長いスートを打ち出すのが正解ですが、2つの例外があります。一つは、QJT8のゆなソリッドスートがある場合にはそちらの方がより良い。(これは前の例題)
二つ目が、この問題。自分が弱いハンドであるときは、パートナーの長いスートを打ち出すようにするのが正解です。
がエスタブリッシュする可能性は低そうですので、他のスートを選択することになります。ここではがベター。で、通常はトップオブナシングの「7」ということになりますが、賢いパートナーとの間では4や2がいい選択になります。あなたに点がないことはパートナーには分かっているはず。それを信じて、のホールディングをオポーネントに隠すのです。

○「アナーが1枚の4枚カードからのリード」から
Kxxx,Qxxx,Jxxx,TxxxこれらのパターンからOLする場合、Kxxxからのリードが相対的に安全な場合が多いです。これは、パートナーが何も絵札を持っていなかったとしても、なおトリックを取るチャンスが残されているからです。

第3章「デクレアラーの失敗」
「よくある間違い」から
○「2つのチャンスがある場合」から
のコントラクトで、A.アナザーときた場合のプレイプランを考えてみてください。
West AQJ9 K95 AKQT63
East 532 QJ6 J5 AK832
テーブルでは、2順目のをハンドのKで勝ってJでダミーにわたってラフ、を刈りきってQでダミーにわたってAKでを2枚捨てて、最後のフィネスをして抜けて1ダウンとなりました。
さて、どこが間違いだったでしょう。
そうです、1順目にKを捨てておくことです。これによってダミーに2エントリーができますので、フィネスが抜ける場合でも4−4であればコントラクトはメークするのです。
2順目Q、3順目ラフ、A,J、ラフ、を走って最後Jでダミーに入って、AK、ここでが4−4ブレークならメークということになります。

こういう感じです。もっと高度なテクニックも説明されていますが、おおむね基本的な事項の解説がなされています。



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