1992年刊行。138ページ。
様々なビッドのコンベンションの紹介、ま「さわり」程度ですが幅広く紹介されています。微妙なケースの判断をなぜそうビッドすべきかということが書かれている箇所は参考になります。また、英国人の著書ではありますが1NTオープンが12〜14hcpの場合と15〜17hcpの場合双方について説明されているのもありがたいところでした。
基本的にそんなに掘り下げてもいないですし、高度でもなく、考え方の基本を知ることとコンベンションのあさらいをするという感じでしょうか。
全体構成は
1.バランスハンドのオープン 2.アンバランスハンドのオープン 3.リミットビッドのコンセプト 4.1NT,2NTに対するレスポンス 5.スートオープンに対するレスポンス
6.スートオープンのレイズ 7.オープナーのリビッド
8.レスポンダーのセカンドビッド 9.4thスートフォーシング 10.ジャンプシフト 11.3,4の代でのプリエンプト
12.ストロング2 13.ウィーク2 14.スラムビッドの技術
15.現代のダブル 16.オーバーコールの全て
17.オポの介入が入った場合のレスポンス
18.1NTオープン後の介入 19.プリエンプトオープンに対するディフェンス 20.ハイレベルの競り合いでのジャッジ
となっています。いくつか紹介します。
○「オープナーのリビッド」から
オープナーのハンドがミニマムであって、レスポンダーのビッドしたスートを3枚持っている場合には、すぐにそのスートをレイズするのがベストリビッドであることが多いと書いてあります。
たとえば、1オープンしてパートナーが1
とレスポンスしてきたとき
T72
6
AQ753
KQ92
こういうハンドの場合はただちに2
J93
4
AQ762
AQJ4
こういうハンドのときは2
が良いとされています。2は上限が限定されていないビッドであって、次のレスポンスで
をサポートすることができるからという理由です。
○「3,4の代でのプリエンプト」から
パートナーが3とプリエンエンティブオープンしてきて
あなたが
K4
AK6
QT952
K83
というハンドを持っていたとします。
バルのときは、パートナーがAQJxxxxと他のスートの形に期待して4
とレイズすることはあり得ますが、ノンバルのときは望み薄なのでパスです。また、
![]()
AJ4
AKQT752
QJ5
こういうときは3NTです。もしパートナーが4と直してくれば、蹴飛ばしてください。
○「ウィーク2」から
マルチ2オープンに対するレスポンスの仕方が書いてあります。
○「スラムビッド」から
グランドスラムフォース(5NT)に対するレスポンスの仕方などが書いてあります。
○「現代のダブル」から
1−ダブル−パス−?ときたとき
J2
T852
K3
97654
これは1レスポンスがいいことは、分かると思います。
95
QT3
J9542
J63
これも1だそうです。1NTには点数なく、またペナルティーパスには
の内容が良くない。こういう場合にはできるだけ低くおさまるレスポンスがいいとのことです。
T72
865
Q972
963
では、これは? このハンドの場合、サポートの内容が良くないので、2
レスポンスが最も悲劇を招きにくいとあります。1
は2
とレイズされる危険があって決して安全なビッドではないと書いています。なるほど。
1−ダブル−1
−?ときたとき
AJ87
K6
T83
9742
これは「ダブル」するとあります。ダブルの意味は、ペナルティーで、1がブラフである場合に備えて「ダブルのあとパスだったなら私は1
とビッドするハンドです」という意味になるそうです。
1−ダブル−リダブル−?ときたとき
T42
Q76
832
J543
これはパス。リダブルがきたことによって強制的に答える義務はなくなりましたので無理してレスポンスしなくてもいいわけです。
ただし、ここでレスポンスすることは強さを示したことにはならないとして、次の例があげられています。
43
Q874
J632
743
こういうハンドの場合は、ダブったパートナーが1とか2
とかビッドするのを防ぐ意味で、ここで1
というべきとされています。なるほど^^
このような感じで続いていきます。