Omar Sharif talks Bridge

2004年刊行。160ページ。
Omar Sharifの国際試合へのデビュー戦から国際試合リタイアの最後の試合までの内容、戦い振りを自戦解説風に述べています。
71番の「Life in Bridge」が、俳優という仕事の中でどうやってブリッジを覚えたかという自伝的な要素が強かったのに対して、この本は、もっぱらハンドの内容、名手のプレイ紹介になっています。

いくつか紹介します。
(1)1969年対イングランド(ラバーブリッジ)
  Love All
KJ
A975
J3
J7543
92 876
K3 QJT642
9876542
A6 Q982
AQT543
8
AKQT
KT

   West    North   East   South
   Cansino Sharif  Flint  Delmouly
                          1C
   2D      2NT     P      3S
   P       4S      P      ?

Sharifの2NTはストロングに対するコンベンションで、A1枚、K1枚を示す。KとAがあれば12トリックはほぼ確実なのでDelmoulyは6とビッドするだろうとコメンテーター。ところがSouthはパス!観衆の驚きの声が広がる。
Delmoulyの判断は、Northが1枚かボイドなら、4のところNorthからは4と返ってきた可能性が高い。そうでないということはNorthのH2枚以上。さらにSouthのの内容にもかかわらず2ということはWestはJ頭の7枚である可能性が高い。したがって、1順目にがラフされる危険があると判断したとのこと。Very well judged!

(2)1970年対ダラスAce(Hammanのプレイ)
  NS Game、 Dealer East
KQJ54
T82
432
T9
AT76 983
63 KQ4
T986 AQJ5
632 K87
2
AJ975
K7
AQJ54

  West    North   East   South
  Lawrence Forquet Hamman Yallouze
                   1D     1H
   2D      P       P      3C
   3D      3H      P      4H

Southの4は、のOLを期待し、かつKがオープナーのEastにあると見てのビッドだ。案の定OLはAで勝ったEastのHammanは2順目どうプレイしたか。
Eastに座っているほとんどの者はをリターンするだろう。SouthはKで勝ってをリードする。WestがAで勝ってをリターン。これをラフしてスモールをダミーのTに向かって出す。EastはQで勝つ。しかしそこまで。その時点でEastはエンドプレイされており、双方をフィネスされてしまってコントラクトはメークする。
 Hammanはここまで考え、後々でのイグジットカードを温存し、2順目3をリターン!Aで勝ったWestはをリターン。その後で勝ったEastは3順目のをリターン。1ダウン。

(3)1975年対USA(Belladonnaのプレイ)
T9865 ビッド
N    S
Avalleri Belladonna
     2NT
3H   4S



OL:
J42
2
9642
Q3 J42
QT3 9875
KQ987 J5
QJ7 A853
AK7
AK6
AT643
KT
裏は2NTがそのまま流れてコンとラクトとなり1ダウン。
KをAで勝ってをダミーでラフ。Kをフィネスして勝って、次のをWestが勝つ。5順目Westから3−5−2−7。こここでEastがJを出さなかったのは良いプレイであることに注意。6順目のラフをEastがJでオーバーラフ。次のEastのへのスイッチをAで勝ってAでトランプを刈り上げる。でラフ、ラフと進み下図。
       North
        H:J4
        D
        C:9
 West        East
  H:QT        H:875
  D:K
       South
        H:K6
        D:T
        C
ここで、TでWestにスローイン。Westはを打ち出さざるを得ず、コントラクトはメーク。マエストロならではのテクニック。すごいですね^^

こんな感じで興味深いハンドがいろいろ取り上げられています。



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