Declarer Play the Bergen Way

2004年刊行。216ページ。
マーティー・バーゲンのディクレアラーのダミープレイに関する最初の本だと冒頭で書いてあります。
全体で16章。ダミープレイで基本的におさえるべきポイントからいろいろな手筋まで紹介されています。レベルは、だいたい中級くらいでしょうか。
全体構成は
第1章 最初に考えるべきこと
第2章 カウント
第3章、第4章 フィネス
第5章 エンドプレイ
第6章 かけひき
第7章 ノートランプ
第8章 ノートランプでのエントリープロブレム
第9章 トランプ刈り
第10章 タイミングがすべて
第11章 スートコントラクトで:ウィナーを数える
第12章 パートスコアのむずかしさ
第13章 ロングスートのエスタブリッシュ
第14章 エントリー
第15章 良いブレイクを期待しない
第16章 スクイズができるようになることは素晴らしいこと
となっています。
少し紹介します。

第1章「ダミーを見て考えるべきこと」から
○考えないようにすべきこと
 ・他に良いコントラクトがあったかどうか
 ・パートナーが悪いビッドをしていたかどうか
 ・あなたの悪いビッドがあったかどうか
○記憶すべきこと
 ・オープニングリードは何だったか
 ・ダミーのディストリビューションとアナーカード
○注意すべきこと
 ・急いでプレイしないこと
 ・ウィナー、ルーザーを数えること
 ・オープニングリードから考えること
   ビッドから予想されるオープニングリードかなど
 ・双方へのエントリーがどうなっているか
 ・オートマチックOLを勝ってしまわないこと
●最も重要なこと:プレイのプランを立てずにプレイを始めないこと。不十分なプランでもたてないよりはましである。

第6章「ホールドアップすべきかどうか」から 
9654 ビッド
N   S
1C  1NT
3NT


OL:
AJ
AK
KQJT4
A3
KQ2
9742
7532
 Westが7のOL。ダミーから4、EastからはK。さてここでどう考えどうプレイしますか。「(Aで)勝つべきか勝たざるべきか」
 まず第1にすべきことは「ルールオブ11」をあてはめてみることである。11−7=4.したがって、N,E,Sは7より高いカードを計4枚持っていることになる。N−Sで2枚、Aと9。したがってEastはKともう1枚7より高いカードを持っていると推測できる。
 それ以上にEastののカードについて考えられることは?
WestのOLが4thベストのリードだとすると、Westは7より高いカードを3枚持っていることになる。もしWestのがQJTであったとしたらWestはきっとQをOLしてきただろう。このことから、Westが4thベストをOLしてきたということは逆にEastの残り1枚の7より高いカードはアナーである可能性が高いと推測できることになる。
 EWののブレークは分からない。ただ4−3ブレークなら、あとAに負けるだけでメーク確定なので、ここでは5−2ブレークを想定する必要がある。5−2ブレークの場合であってもEastがアナー2枚のダブルトンだと、ブロックしてしまうか、9がストッパーとなる。
 ここまで考えて、プレイの準備完了。1順目をAで勝ってAに負けに行く。
 全体のハンドは下の通り。
9654
AJ
AK
KQJT4
QT872 KJ
8754 T963
Q85 JT63
986
A3
KQ2
9742
7532
第8章「エントリーを確実にする」から
Q72 ビッド
W  N  E  S
         1D
1S X  P  2NT
P  3NT


OL:
9765
KQJT5
AT5
AK3
AK53
983
 8のOLを受けてダミーからはロー、Eastも同じ。ハンドのTで勝つ。次にダミーのを開発しにいく。しかし、不幸にも、Eastがを2回ホールドアップして3回目にAで勝ってをリターンしたきたとき、もはやQはダミーへのエントリーにならなくなっている。
 最初にハンドのTで勝ったのが失敗。ビッドとルールオブ11からKはWestが持っている可能性が濃厚。したがってSouthは1順目をハンドのAで勝たなければならなかった。すると、Aを追い出した後、Qで簡単にダミーに入れた。
全体のハンドは下の通り。
実践だと、ついうっかりしそうな手筋でしたので書いてみました。
Q72
9765
KQJT5
KJ983 64
QT2 J84
Q972 JT84
A642
AT5
AK3
AK53
983
こういう感じで、決して難しくはないですが基本的に押さえておくべき手筋が順々に解説されていっています。



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