Easy Guide to Defensive Signals

2005年刊行。160ページ。
William Root著の「How to Defend a Bridge Hand」をコンパクトにした本という感じでしょうか。あるいは、それを読んだことを前提に、おさらいをしつつ、さらに深く掘り下げてあるという内容です。
全体構成は
第1章 パートナーのリードに対するシグナルの基本
第2章 オポーネントのリードに対するシグナルの基本
第3章 ディスカードの基本
第4章 スーツ・プリファランスシグナルの基本
第5章 リードを続ける場合とリターンの基本
第6章 ニュースートにスイッチする場合の基本
第7章 パートナーのリード後のさらなる展開
第8章 オポーネントのリード後のさらなる展開
第9章 ディスカード応用編
第10章 リードを続ける場合とリターンの応用編
第11章 ニュースートのリードの応用編
第12章 様々なスタンダードでない特別なメソッドの紹介
となっています。
いくつか紹介します。

第1章「パートナーのリードに対するシグナルの基本」から
      North
       KJ962
       
       T9873
       QJ
West
 743
 Q972
 
 AT975
ビッドはSouthから、1−1−2−3−3NT
OLは T。ダミーのが勝つ。ダミーからTが流されて、あなた(West)のKが勝つ。さて、3順目、Aをキャッシュすべきか、ローを出すべきか。それは、パートナー(East)の1順目ののカード内容が手がかりとなるとあります。つまり、1順目EastがKをかぶせられなかったということからKはSouthにあることは明確で、となると、1順目のEastのはカウントシグナルであるべきで、Eastのシグナルなしでは正しいディフェンスはでき得ないとあります。仮に1順目のEastのが「6」であった場合、862から6を捨てるはずがないので、Eastのは「86xx」か「6x」だということが分かります。したがって、3順目にはAをキャッシュしてみて損はないです。これに対し、「2」または「3」であった場合は、AをキャッシュしてKが落ちてくることは考えにくいので、ローを出して、Eastが何かで勝ってをリターンしてくれることを期待します。

第2章「オポのリードに対するシグナルの基本」から
 North
  9853
  AQ
  932
  AQT2
       East
        
        KT54
        AK854
        KJ9
あなた(East)の1オープンにSouthが1オーバーコール。で、すぐにNSの4となりました。
パートナーのWestはJのOL。あなたはを3回まわして(southはQx)3回目をsouthがラフ。2回でを刈り上げて6順目southはを出してダミーのT、あなたのJが勝ちました。さて、ここで?
(a)AKQJT2 963 Q7 86
(b)AKQJT2 96 Q7 863
ディクレアラーのハンドが上の(a),(b)どちらかによって次のEastの出すべきカードが変わってきます。
(a)なら、をリターン、(b)ならをリターンする必要があります。ということは、Westはを4枚持っているか3枚なのかをsouthからのリードのときにカウントシグナルを出してパートナーに知らせる必要があるということになります。

第7章「パートナーのリード後」から
 パートナーがハイーカードを続けてきた場合、最初はアテュテュードシグナルかカウントシグナルで、次はスーツプリファランスシグナルになるのが普通で、その解説がなされています。
 North
  KJ94
  AT6
  Q9
  KJ94
       East
        AQ53
        
        J8653
        853
−1−2−4というNSのビッドで、OLはA。
あなた(East)はダミーのを見て3とアティテュードよりカウントシグナルを出します。パートナーのWestは、Kを続けます。さてここで?
あなたはへのシフトを希望しますので、「8」を出します。もし、あなたのの内容が逆であればシフトを示すために「5」を出します。いずれでも構わない場合は「6」を出します。

第12章「ノンスタンダード メソッド」から
 ここでは、様々なさらなるシグナルについて解説と考察がなされています。
 Aに対してはアティテュード、Kに対してはカウント
 リバースカウントとリバースアティスード
 オビアス・シフト、スミス、ラビンサルディスカード(スート
 プリファランスディスカード)、カウントディスカードなどです。
メリット、デメリット、好き嫌いも書かれていて興味深い箇所もあります。特にオビアスシフトについては、誤解が生じやすいので北アメリカ以外ではあまり使われていないというように、あまり評価していないのがおもしろいところです。。



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