(ブックレビュー詳細)

ポインツ・シュモインツ

「どのレベルのプレーヤーにもすぐ役立つ事柄が各ページに散りばめられ、読めば読むほど面白く、楽しく、読み終わったときにはブリッジに関するたくさんの知恵や知識が自然に頭の中に入っているという、他に類のない、しかもアメリカのブリッジ界でベスト・セラーの一つであるこの本に、できるだけ多くの日本のプレーヤーの方々に是非触れていただきたいと願っています。」
訳者のキャーシー・オオタカさんの後書きです。この言葉に偽りはありません。
出だしは、マーティー・バーゲン考案の「ルール・オブ・20」からです。
「1番手と2番手のプレーヤーは、HCPに2つの長いスーツの枚数を加えて、その合計が20以上になればオープンする」というものです。
絵札点(HCP)だけでなく、長いスーツなどハンドの形をも考慮に入れたビッドの法則です。
HCPしか考えないと正しいビッドができない例として、ジェームス・ボンドの「ムーンレーカー」で、ボンドが仕込んだハンドが紹介されています。
       NT987
        6543
        
 W      76532  E       ビッド
 65432         AKQJ   W N E S
 T9872         AKQJ          7C!!
 JT9           AK     P P x  xx
               KJ9    P P P
       S
        
        Q8765432
        AQT84
なんと いかなるリードでもこの7Cはダウンしません
第7章では「ダブルの落とし穴」として、オポの1Hとかのオープンに対して17hcp以上あれば常にダブルから入る方をいましめて
(1)テークアウトダブルの要はディストリビューションでありhcpではない
(2)非常に強いハンドでない限り、短いアンビッドメジャーを持ってテークアウトダブルをかけてはいけません
と例をあげながら解説しています
その他、「必須のコンベンション ネガティブダブル」、競り合いのビッドの考え方、「トータルトリックの法則」、「よきパートナーとしての21の心得」、「ステイマンビッドにいつも8hcpはいらない」、オープニングリード、プレー、ディフェンスなど様々な挿話とともに ほんとに分かりやすく書かれています。
「高価な忠告」として、こういう話もはさみこまれています
 あるプレーヤーがブリッジ・プロに質問をしました。プロがそれに答えると、プレーヤーは「ありがとう」と言ってその場を立ち去りました。
 3日後 このプレーヤーはプロから100ドルの請求書を受け取ったので、彼は怒って 早速弁護士に電話して「私はたった1つの質問をしただけなのに、こんなことありますか?」といいました。
 弁護士は、「話は分かりましたけど、プロの立場から考えてごらんなさい。あなたは仕事中の職業的サービス受けたのですからを、それは支払うべきですね」と答えました。
 「私はそうは思わないけど、仕方がない。もうプロに意見を聞くのはやめよう。忠告ありがとう」。
 彼がしぶしぶプロにチェックを送ると、その3日後、今度は弁護士から150ドルの請求書がきたのです。
これを読んだときは笑いました。実に肩がこらずに読めてためになる本です。



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