(ブックレビュー詳細)
世界のトッププレーヤーZiaの自伝エッセイです。
アメリカの東海岸のアトランティックシティーで開催されたオマー・シャリフ
招待世界ペアマッチが舞台で、Ziaが優勝するまでの道のりが基本的なシ
ナリオですが、イギリス育ちのパキスタン人であるZiaがどのようにして
いつごろブリッジを覚えたか、パキスタンチームをどう結成していったかな
どの歴史や、Ziaのブリッジに対する考え方が書かれていてとてもおもし
ろいです。
特に、見どころは1986年の Rosenblumチーム戦マイアミオリンピアード
のセミファイナル、対USA戦の実況中継っぽい部分です。
最後の3ボードまで11imp差だったのを、3ボードでひっくり返したも
ので、Zia自身これまでプレーした中で最も興奮したハンドだと書いてい
ます。
相手は世界最強ともいわれる Meckstroth と Rodwell のチームです。
あたかも劇を見ているように はらはらどきどきの展開で、感動しました。
当時の狂喜乱舞のありさまが伝わってきます。
Ziaは、ブリッジでのパートナーシップの大切さを力説しています。たと
えば、
A543
K654
AQJ2
2
このようなハンドをもっていて、パートナーが1とオープンしたときなんと
レスポンスするか。相手によって3通りあると言います
Pdが Garozzo(有名なイタリア人の世界チャンピオン)の場合、彼はコン
ベンションを好むので、4とスプリンタービッドをする。
Pdが Rixi Markus(偉大な英国人の女性世界チャンピオン)の場合、彼女
はたくさんのシステムを好まず、むしろナチュラルなビッドに強さを発揮す
るので、2とナチュラルなビッドをする。
Pdが倶楽部で最も下手なプレーヤーと組んだときは、4とビッドする。
と述べています。
また、1.パートナーが上手なプレーヤーであるとき
2.パートナーが下手なプレーヤーであるとき
3.オポが下手なプレーヤーであるとき
それぞれ勝つためのコツを10ずつ書いたりしていて笑えます。
読み出したら夢中になって あっという間に読み終えた本でした。
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