Those Extra Chances In Bridge

1978年刊行。64ページ。
フランスの偉大なプレイヤーが書いた著作で、Terence Reeseが英語に訳した本のようです。
40例があげてあり、どうやったらメークするエクストラチャンスをひねり出せるか、簡潔、分かりやすく分類されて説明してあります。手筋のレベルは高くはないです。むしろうっかりしがちな基本テクニックを印象つけるべく例示していっているという感じです。
いくつか紹介します。

例6.フィネス−スーツコンビネーション
       J932
       A83
       432
       642
5      ┏NN┓ K876
QJT92  W  E 54
K85    W  E QJ76
JT93   ┗SS┛ Q87
       AQT4
       K76
       AT9
       AK5

サウスの3NT。OLのQをダミーのAで取って、が4トリック取れれば3NTはメークするという計算で、ダミーからJをひいた。イーストはカバーしない(これは本当は悪いプレイ)。サウスはTをアンブロックしようかと一瞬考えたが、同じことだと分かったので、そのままサウスからはスモールをひいた。次に10でフィネスした。このときウェストはショウアウトし、結局イーストのKを捕まえられなくなって8トリックしか取れず、3NT1ダウンとなった。失敗の原因は?
 の1回目にJではなく9を出すことが必要であった。そうすることによってディフェンスの如何によらず4トリック取ることができる。
イーストがKxxxと持っている場合に全部取るために注意が必要なスートコンビネーションとして他に2つ例をあげています。
1)Q95   AJT4
2)T76   AQJ92
この2つのケースで、1)では、最初Qでなく9をリードする必要があること、2)では、Tをリードしてハンドから「9」をアンブロックする必要性を説明しています。

例33.エスタブリッシュvsトリック数のカウント
     AT984
     842
     A3
     KT3
Q62  ┏NN┓ J5
J65  W  E AQ73
7542 W  E 986
Q85  ┗SS┛ A764
     K73
     KT9
     KQJT
     J92

ノートランプのコントラクトで、通常は自分たちの長いスートをエスタブリッシュしにいくのが通常であるが、周囲の状況でそうしてはいけないケース、その前にやることがあるケースなどがある。パートナーへのエントリーを確保しに行くとか、取り逃げする必要があって負けている余裕がないケースとかである。
このハンドはサウスの3NTで、OLは5。5−2−Q−Kとなった。7トリックは確定した。あと2トリック。
 2トリック捻出するのには最も良いように見える。しかし、を1回負けに行くと、3、1、1と先に5トリック取られてしmし1ダウンしそうだ。そこで、次に目をに向けて、QとAが分かれていればのダブルフィネスで2トリック取れる。ということで、K勝ったあと、を4個取って9を流せば無事にメークするということになる。

例39.マスターカードがラフされるのを防ぐ
 ゲームでの最も重要な技術の一つが、マスターカードがラフされることを防ぐことだという冒頭の説明のもと、次のようなハンドが示されます。
      7643
      K943
      A8
      A43
5     ┏NN┓ JT98
J86   W  E QT75
QJT3  W  E 9765
T8765 ┗SS┛ J
      AKQ2
      A2
      K42
      KQ92

サウスの6。OLはQ。ハンドのKで勝ってA、Kとやったところ、2順目にウェストがショウアウト。に1回負ける余裕があるが、の3枚目との4枚目をラフするには注意が必要だ。
サウスは先にをさわり、K、Aとやったところイーストにラフされ、の逆がりに来られた。の2ルーザーのうち1個しかラフできなくなり1ダウンとなった。
サウスが注意すべきはのアナーがイーストにラフされることだ。したがって、まずAを取って、Aも取って、ダミーからスモールを引かなければならなかった。イーストはラフしても得にならないので、ディスカードするだろう。そこでKを取って、をラフし再びダミーからを引く。イーストがラフしなければQで勝ってをラフしにいく。それがラフされても、それに負けるだけということになる。

 こういう感じで分かりやすく、手杉が分類され解説されていきます^^



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