2005年刊行。215ページ。
現代、多くのプレーヤーが使っているコンベンションから、少し高度なコンベンションまでお邪魔なしの建設的コンベンションを紹介しつつ、それぞれのコンベンションに関して何が問題になってくるのか、そしてまたどういう点についてパートナーと話し合っておく必要があるのかを論じています。したがって、当然のことながら多くのコンベンションを知っている必要があって、その意味ではコンベンションをあまり多くは知らない(浅く広くしか知らないというべきかも)σ(^_^)にはやはりなかなか難しい本でした。
ただ、少なくともコンベンションにはいろいろなパターンがあるのでパートナーと打ち合わせしておくことがとても大事だということと、一つの本に書いてあるコンベンションがずべてではないので、自分以外の誰もが自分のコンベンションのビッドパターンを知っているべきだとか考えるのは非常におろかな間違いだということなどについたは確信をいだくにいたりました。。
全体の構成は、
第1章 オープニングビッド
スートの選択、リビッド、3,4番手でのオープン
ウィーク2、フラナリー、2、3の代以上、2
第2章 レスポンスとリビッド
ニューマイナーフォーシングとチェックバック
4thスートフォーシング、XYZ、メジャーのレイズ
マイナーオープンへのレス、リバース、3枚でのレイズ、
インターチェンジNT、どれがフォーシング?
パスorコレクト、2へのレスポンス
第3章 2オーバー1
フォーシングゲームの例外をどう設定するべきか
スートの質、ディレイドレイズ、ファーストアライバル、
ディレイドサポート、4thスートフォーシング、
オープナーのリビッド、ハンドパターンとリバース
第4章 ノートランプのビッド
第5章 プレシジョン
第6章 スラムビッド
創造的評価、スプリンター、コントロールアスク、
ブラックウッド、ガーバー、エックスクルージョンBW,
グランドスラムフォース、誰がキャプテン?
キュービッド
などとなっています。
あまり複雑な、あるいは深い考察の部分は理解できていませんし、プレシジョンの部分は飛ばしましたので、あまりたいした内容紹介ができませんが、少しご紹介します。
第1章「オープニング・ビッド」から
○ウィーク2オープンするかどうかについて
古典的なウィーク2の形は
KQTxxx
xx
Axx
xx
Kx
KQJxxx
xx
xxx
marshall氏はオープンしないという形
xx
KQxxx
xxx
xxx
xx
Qxxxxxx
xx
xx
オープンする形
x
AQJTx
QT9x
Jxx
オープンしない形
Jxx
AQJTx
QT9x
x
○章末のクイズ
問:あなたのハンドT8
Q876
KJ54
Q53
ノンバルでパートナーが1番手で3オープン。RHOパスであなたに流れてきました。ここで何とビッドしますか?
答:4オポは25hcp持ってる可能性が大。で、これが均等に分かれていれば、4
を双方パスするかもしれない。LHOはあなたの4
が作るつもりなのかサクリなのか分からない。これに対して「5
」だとサクリということがはっきりしてしまう。
第2章「レスポンスとリビッド」から
○最初のレスポンス
あなたのハンドxxx
Qxxx
Jxx
xxx
パートナーが1オープン。RHOパス。ここで、パスだとLHOは苦もなく介入してくるだろう。なので1NTとレスポンスし、後で2
とプリファーする戦略がある。2
のレスポンスより1NTのレスポンスの方がより「プリエンプティブ効果」が高いことに注目すべきである。オポがフィットを見つけたときは味方同士もフィットしている可能性が高いということ、1NTは11〜12hcpもあり得るということがその理由である。
したがって、Jxxx
xx
Qxxx
QJx
こういうハンドを持っているときは、パートナーの1オープンに「パス」をお薦めする。
Jxx
x
KJTxxx
Jxxと持っているときも同様である。ふむ〜〜
○アップザラインについての考察
まず、「アップ・ザ・ライン」(下から4枚のスートを紹介していく方式)は現代のスタイルではないと結論付けた上で、オープナーがメジャーを紹介していく方法について解説していっています。黒川本では、1−1
とレスポンスが返ってきた場合、4枚メジャーを1
とか1
とか言って紹介するのは
5枚以上と
または
4枚(1
の場合は4414を含む)の場合に限られると書いてあって、これがいわゆる「ウォルシュ」スタイルです。
この本では、4225、2425のほか、絵札の強さが2スートに集中している場合(AQJx
xx
xxx
AKTx)には利ビッドでメジャーを紹介すべきであると書いてあります。
○ニューマイナーフォーシングとチェックバックについて
使い方は基本的には同じであるが、チェックバックの方がまさると書いたあります。というのは、ニューマイナーフォーシングの場合
1−1
−1NT−2
となって
レスポンダーがKT9xx
x
KQxx
QT9というようなハンドであった場合、オープナーが
2枚以下、
3枚以下だとミニマムで2NT,マキシマムで3NTと答えざるを得なくなって
を打ち抜かれる可能性があるからだとあります。チェックバックだと、こういう場合(メジャーいすれもなし)2
−2
とレスポンスできるからとあります。
チェックバックのマイナス点はナチュラルな2でプレイできなくなることですが、それを補う利点があるとあります。
○BART
1−1NT(!)−2
−? ここで
2とレスポンスすれば6枚
、2
が5枚
を示すコンベンションだそうです。ナチュラルな2
を捨てて
の内容を示すものです。実際、5枚
を持って迷うケースが結構あるだけに、役に立ちそうな感じはしました。
第3章「2オーバー1」から
○2オーバー1がゲームフォーシングにならない5つの例外をまず紹介しています。
(1)競り合いの場面での2オーバー1レスポンス
1−(2
)−2
この2
は、GFでなく、オープナーがキュービッド、ジャンプリビッド、ニュースートのリビッドをしない限りリビッドも保証していない。
(2)1−2
これもゲームフォーシングにすべきでない。
(3)レスポンダーが同じスートを2回ビッドした場合はゲームフォーシングにならない(オープナーがエキストラバリューを氏増さない限り)
(4)オープナーが3回同じスートをレスポンスした場合、もはやゲームフォーシングと考えるべきではない。
もちろん、著者がAJxxxxx
xx
x
Axxでも1
オープンを薦めていることが前提であると断っています。
(5)NTのコントラクトを探りに言って、止まってないスートがある場合にはマイナーの4の代で止まれる。
○ファーストアライバルについて
著者は、ファーストアライバルが嫌いですwww
○オープナーのリビッドについて(1−2
−?など)
著者はここでの2リビッドは
5枚保証でやるべきと言っています。これについては米国でも2派に別れているようで、マーティー・バーゲンなど多くのプレイヤーは
は6枚保証と言い、マイク・ローレンスは5枚保証と言っているとあります。
著者は、AKJxx
xxx
xx
Axx
といったようなハンドで1オープンし、パートナーの2
レスポンスに対して2
とリビッドできないと、2NTとしか答えられず、
にストッパーあるかのようにパートナーに誤解させるのみならず、
にストッパーがある可能性があるパートナーがダミーになってしまうのは二重にうまくないとしています。
第4章「ノートランプのビッディング」から
○どういう場合に1NTオープンすべきか
通常は、15〜17ptsの4333、4432、5332のディストリビューションの場合であるが、マイナーが長い6322、5422の場合でも、近年では多くはオープンするとしています。
例:96
AJ
KJ84
AQ962
Kx
JTx
AJTxxx
AQ
では、メジャーが5枚の場合はどうか。メジャー5枚とぼろ2枚のダブルトンのスートがあるハンドでは、通常はメジャーでオープンすべき。しかし、5枚、ボロ2枚が
であるときに限っては、1NTオープンがベストチャンスである。
Tx
AQxxx
KJx
AJT
のようなハンドを持っている場合、1オープンして1
が返ってくるとリビッドに困る、1NTはオポーネントに1
とかテークアウトダブルで
を示す機会を少なくするプリエンプティブ効果もあるとのことです。
したがって4枚持っているときは、リビッドに困ることはないので、オープンに迷う難しいハンドは少ないので、
4枚とどこかにボロ2枚のスートがある場合は、通常マイナースートオープンから始めるべき、ただしちょうど16ptsある場合を除きと書いてあります。
その意味は、
AJxx
xx
Axx
AQxx
のようなハンドでは、1オープンし、パートナーの1
または1
には1
、次にパートナーが1NTと言えばパスできる。パートナーが10点持ってない限りゲームは難しい。他方、17点のハンドの場合は、パートナーの1NTには2NTとインビテーションをかけられる。またパートナーの1
には3
と言える。これらに対して16点のハンドの場合は、その中間でリビッドが難しくなる。ほとんどのプレイヤー(もちろんエキスパートを含んでいます)はこの点を区別していないと書いています。なかなか面白いですね^^
○トランスファーについて
アンバランスハンドの場合は、そのスートがどんなに弱くてもトランスファーすべき。
例:xxxxx
x
Qxxx
Jxx
他方、バランスハンドのときはトランスファーしないほうが賢い
例:Qxx
xxxxx
Jx
Qxx
(^_^)3 フムフム
と、まあ こういう感じです。
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