(ブックレビュー詳細)
エキスパートに必要な資質ごとに章立てして、アベレージプレーヤーが同じ視点で考えられるように解説されています。
カードセンス、テーブルプレゼンス、ミスを減らすなど10章です。
第1章 カードセンスからです。
コントラクト2H
NT65
K85
T6532
K3
SQ2
QJ742
AK
J762
Westから3−
5−
9−
Qとなりました。ここでどうするか。
2Hメークはきびしそうですが、ともかくAは左にないとでき目はありません
のでそう仮定します。すると、2順目にハンドからを出して
Kでフィネスし、
をダミーでラフして8トリック目を確保するのが自然なプレーに見えます。
しかし、そう考えたとしたらあなたのカードセンスは正しく機能していないことになります。オポはリード権を得るやいなや逆刈りするでしょうから、ダミーのクラブでのラフはタイミングが遅れて間に合わなくなるからです。
1978年の Sunday Times Invitationペア選手権で、デンマーク人のエキスパート Stig Werdelingは、をプレーする前に
AKをキャッシュしました。4順目に
をフィネスした後、
をハンドでラフし
をエスタブリッシュしました。
T65
K85
T6532
K3
973
AKJ84
A63
T9
974
QJ8
AQ98
T54
Q2
QJ742
AK
J762
全体のハンドはこうなっていました。A、K,ラフのプレーにより
でさらに2トリック取れるか、
をダミーでラフされるのに甘んじるか、ディフェンス側にはそれ以上の手段がなくなっています。プレーはシンプルですが、どれだけのプレーヤーが同じように考えられるでしょうか。エキスパートはこのように考える習慣をもっているのです。
こういった感じで、エキスパートが考える視点が紹介されていて面白かったです。
第10章の「Abstrack Beauty」では、Benito Garozzoというイタリアの超有名なエキスパートの名ディフェンスが3ページにわたって解説されています。
1979年のBermuda Bowl 対USA戦でのハンドで、「Famous Leads and Defences」のハンド29でも扱われています。1980年のハンドオブザイヤーを受賞したものだそうです。興味深いハンドでブリッジの奥深さを味わえました
と同時に 多くの世界のトッププレーヤーがGarozzoこそ世界一のプレーヤーと考えるであろうといわれるゆえんがよく分かります。
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